いまさら聞けない基礎用語!【キ】#026 金属

公開日時:2023/10/25

金属って、なんだっけ?

みなさん、こんにちは。基礎用語、案内役のあるるです。

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今月の基礎用語:キ#026
金属(きんぞく)
(metal)

あるる「えいっ えいっ! よいしょっ、はっ!(汗)」

博士「おお、あるる。体力作りか。がんばっておるのぅ」

あるる「はいっ! おじいちゃんに『鉄アレイ』をもらったので、昨日から鍛えてるんです。めざせ!細マッチョ!」

博士「ふぉっふぉっふぉっ。まぁ、理想は高い方がよいのぅ(笑) 運動中悪いが・・・じゃーーーん!!」

あるる「おおっ、ピカピカ! カッコいいっ!」

博士「ついに手に入れてしまった。金時計じゃ!!」

あるる「すごーーーい、アンティークなのにこんなに輝いていて・・・さすが金時計!」

博士「じゃろう? カッコよかろう(ご満悦)」

あるる「でも・・・博士ぇ・・・」

博士「なんじゃ? どうしたあるる」

あるる「あるるのこの「鉄アレイ」も、博士の金ピカ金時計も、同じ金属ですよねぇ。どうしてこうも違うのか・・・」

博士「良いところに気がついた! よし、早速復習じゃ!!」

 

金属とは何か?

みなさんは「金属」というとどんなイメージでしょうか?

「硬いけど割れたりせず、光沢があって、電気を通すもの」

で、だいたい合っています。

 

これまで、アルミフレームや鉄などの金属についてお話してきましたが

そもそも金属とはいったいどのようなものなのでしょう?

 

今回は金属について、簡単にお話しましょう。

金属の定義

金属とは、冒頭で述べたように

・硬い

・割れない

・光沢がある(ピカピカしている)

・電気を通す

といった特徴を持つ物質の総称です。

 

化学的に言うと「金属結合するもの」となりますが、

まずは、それはどういうことかを説明しましょう。

 

 

自然界に存在する物質は、分子やイオンの集合体で、
分子は原子が集まってできているものです。

原子はどのように結びついているのか? というと、
原子間の結合の仕方の違いによって

 

・イオン結合(金属元素と非金属元素からなる結合)

・共有結合(非金属元素のみからなる結合)

・金属結合(金属元素と金属元素からなる結合)

 

などに分けられます。

 

それではひとつずつ、詳しく解説していきましょう。

イオン結合

「イオン結合」とは、陽イオンと陰イオンが
静電気力(クーロン力)で結びついたものです。

 

たとえば、金属元素のひとつナトリウム「Na」を
塩素ガス「Cl₂」の中に入れると互いに電子を交換して
ナトリウムイオン「Na⁺」と塩化物イオン「Cl⁻」になり、

これがクーロン力で引き合い、塩化ナトリウム「NaCl」(いわゆる食塩)となります。

イオン結合

共有結合

「共有結合」とは、非金属元素の原子核のまわりの価電
(一番外側の軌道を回っている電子)が、隣の別の原子核に引き寄せられ、
互いに交わって、一対の価電子が2個の原子核に共有され
(電子の軌道を2個の原子核が共有している)、
より安定した状態となった結合です。

 

この結合で誕生した原子のグループを「分子」と言います。

 

例としては、水素(H2)、水(H2O)、酸素(CO2)、二酸化炭素(CO2)などです。

共有結合

金属結合

そして「金属結合』です。

金属結合とは、金属原子が最外殻を回っている価電子を放出して失い、
陽イオンとなった原子が規則正しく並び、放出された電子が
この陽イオンの中を自由に動き回っている(自由電子と言います)状態の結合を言います。

金属結合

共有結合でも電子を共有していますが、
2つの特定な原子間だけであり
電子が動くことはありません。

 

一方の金属結合では、規則正しく並んだ陽イオン
すべての間を自由電子が動き回ります。

 

金属結合により規則正しく配列したものを『金属結晶』と呼び、
以下のような特徴があります。

 

(1) 電気伝導、熱伝導が良い

(2)一般に融点が高く、展性、延性がある

(3)金属光沢がある

 

以下に詳細を述べます。

 

(1)電気伝導、熱伝導が良い

これは飛び回る自由電子が、電気や熱を伝えるためです。

ですから、電気伝導が良い金属は、熱伝導も良いということになります。

 

(2)一般に融点が高く、展性、延性がある

「展性」とは、圧縮する力(打撃など)を与えられて薄く広がる性質のこと。

「延性」とは、引っ張る力を与えられて細く伸びる性質のことです。

 

共有結合は、原子間の結合が強いのですが
金属結合では結合に寄与する電子を共有しているめ、
原子間の移動が容易で、割れずに変形ができるのです。

結晶の変形は、規則正しく並んだ原子が、結晶面に沿ってすべることでおきます。

この展性と延性があることで、金属は非常に加工性の良い材料として広く使われているわけです。

 

(3) 金属光沢がある

自由電子はマイナスに帯電しているので、電子同士が近づくと反発し、それを繰り返すために激しく振動します。

この振動数が可視光の振動数より大きいため可視光は反射され、金属内部に入っていかず反射が起こり、もとの光と同じ振動数の光を放出するので光り輝いて見えるのです。

反射する光の波長は金属ごとに異なります。

アルミニウムは可視光線全域の波長をよく反射するので、銀白色に見えるわけです。

 

アルミニウムの光沢のひみつ

あるる「そうでした。金属って「定義」だけでも、いろいろあるんでした。今、すごーく思い出しています」

博士「ふぉっふぉっふぉっ。やっぱり何度も復習すると、身に付くようじゃのぅ」

あるる「はいっ!」

博士「これら金属の定義は基本中の基本じゃ。金属の起源金属の硬さの話もあったが、続けて復習するかの? 
わしは大丈夫じゃが」

あるる「あ、・・・いえ・・・お、お気持ちは嬉しいのですが、もうお腹がいっぱいで・・・」

博士「なんじゃ、お腹がすいておらんのか。今日は早ランチをするつもりじゃったのだが・・・。いつも行列ができているあのお店で・・・」

あるる「あ、そういう意味ではありません!! 博士、今何時ですか?」

博士「11時ちょっと過ぎじゃが・・・(ピカリン←時計の輝き)」

あるる「急ぎましょう! 11時半までに並べば初回に入れます。
ほら、行きますよ! 博士っ!! はよっ!」

博士「は、・・・はい・・・」

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