いまさら聞けない基礎用語!【キ】#024 極断面係数
公開日時:2023/08/30
極断面係数って?
みなさん、こんにちは。基礎用語、案内役のあるるです。
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今月の基礎用語:キ#024
極断面係数(きょくだんめんけいすう)
polar sectional coefficient /polar modulus of section
♪♪ ちゃんちゃかちゃかちゃか〜・・・♪♪
博士「よっ! ほっ!」
あるる「おはようございます。博士、今日も朝から元気ですねぇ」
博士「おお、あるるも一緒にやらんか、ラジオ体操」
あるる「はいっ!!」
あるる「3年前を思い出しますねぇ。ねじる運動から『極断面係数』の話になって・・・」
♪♪腕を振って、カラダをねじる運動〜〜〜♪♪
あるる「あっ! 早速来ましたね!!」
博士「ほっ! ほっ!」
あるる「いよっ! はっ!」
博士「あるるよ、ねじりが上手くなったではないか」
あるる「はいっ! 毎日練習して『極断面係数』高くなりました〜♪」
博士「えらいぞ、あるる。日々の積み重ねが大切じゃ。よし、体操が終わったら、『極断面係数』の復習じゃ!」
あるる「はいっ!!」
極断面係数とは?
極断面係数は、断面二次極モーメントと同様に、断面形状からその材料のねじれ強さを表すものです。
断面二次極モーメントは、ねじれ量を算出するときに、極断面係数は応力度を算出するときに使います。
言い換えると、ねじりモーメントに対して
断面二次極モーメントは、どれだけねじれにくいか
極断面係数は、ねじれにどれだけ耐えれるか
を表す数値で、両方とも材質には関係がなく、断面形状の性能を表すものです。
まず、前号の式(10)
となります。
このτがねじり応力ですが、ねじり抵抗モーメント(R)を極断面係数(Zp)で除した値であり、
極断面係数(Zp)は、断面二次極モーメント(Ip)を半径(r)で除した値です。
つまり、断面二次極モーメントと同じく、材質には全く関係のない値です。
断面二次極モーメントの単位はmm4でしたが、
極断面係数はそれを長さで除しているので単位は、mm3となります。
前回の式(2)で円形断面の断面二次極モーメントを示しました。
Ip=πD4/32
極断面係数はこれをr(=D/2)で除したものなので
Zp=πD3/16
となります。
つまり中実軸の場合に、軸のねじれにくさ(ねじり剛性)は軸径の4乗に比例し、
軸の破壊しにくさ(ねじり強度)は軸径の3乗に比例するわけです。
このことから、ねじり剛性については、中実軸より中空軸が軽量で有利なことがわかります。
中空軸は、外径の値から中空径の値を引いた値となるので、まとめると以下のようになります。
実は前回、今回で説明したねじりに関することは、円形断面に限られます(円形断面とは、中実円、中空円、中実楕円、中空楕円)。
矩形断面などそれ以外の形状においては、弾性学となり、断面の湾曲のため、そのせん断応力は辺の中央部で最大になり、4隅の角では、0となります。
イメージで言うと、ゴムの丸棒をねじると外周で応力が最大になりますが、長方形断面のゴムの角柱をねじると広い面の中央部(中心から一番近いところ)が最も湾曲することが想像できるかと思います。ここで応力が最大となるわけです。
さらに、開断面形状(H鋼やナット溝のあるアルミフレーム)ではまた異なった挙動となります。
これらについては改めて説明いたします。