いまさら聞けない基礎用語!【カ】#017 カーボンニュートラル
公開日時:2023/01/25
カーボンニュートラル
みなさん、こんにちは。基礎用語、案内役のあるるです。
本年もあるると一緒に、大切な基礎用語を楽しく勉強していきましょう!
よろしくお願いいたします<(_ _)>
さて、2023年最初の基礎用語はコチラ!!
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今月の基礎用語:カ #017
カーボンニュートラル
英語だと「Carbon Neutrality」という表記になります。
あるる「博士ぇ、今年もよろしくお願いします!」
博士「こちらこそよろしく♫ あるるはどんなお正月を過ごしたのかの?」
あるる「ちょうどお話ししようと思ってたんです! なんと!『電気自動車』に乗せてもらったんです\(^o^)/
ハイブリッドじゃないんです。電気だけで動くヤツです!」
博士「そうか! して、初乗車の感想は?」
あるる「いやー、かっこよかったーーー。びっくりするほど静かだし、アクセル踏むとスーーーーーっと
滑らか〜〜〜に、スムーズ〜〜〜に走り出すんですから!」
博士「それは新年早々、良い体験をしたのう。電気自動車はカーボンニュートラルのカギになると言われておる。
この実体験は必ずあるるにとって、お宝になるぞ」
あるる「やったー! お宝ゲット\(^o^)/」
博士「ところであるる。『カーボンニュートラル』については、覚えておるかの?」
あるる「は、ははい! もち、もち、もちろんですとも・・・!!」
博士「ふぉっふぉっふぉっ。お餅を食べ過ぎたようじゃのう笑笑 さ、では早速、復習してみようぞ!」
カーボンニュートラルとエネルギーとCO2の密接な関係
自動車の進歩において、「自動運転」と「環境対応」の2点が大きなテーマであることは言うまでもありません。
今回は環境問題に関して大切なキーワードであるカーボンニュートラルについて、取り上げてみたいと思います。
こちらの記事と合わせてご覧ください。
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▼【今月のまめ知識 第92回】カーボンニュートラル
https://alfaframe.com/mame/20639.html
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まずは、エネルギー、そしてCO2について。
自動車の環境問題に関してはWell To Wheelという事が言われています。
Wellは、上手という意味の他に井戸という意味もあります。
Well To Wheelは、油田から車のタイヤまでという意味で、自動車単体の燃費やCO2排出量ではなくトータルで考えるという事です。
エンジン車、HV、PHEV、EV、FCV、当面何が良くて、将来はどうなるのか?
自動車を走らせるのに化石燃料を内燃機関で燃焼させて車輪を回すか、電機モーターで車輪を回すか、あるいはそれを組み合わせるか?
そしてその電気はどのように作るのか?
発電所なのか、車載の内燃機関なのか、燃料電池(水素と酸素の化学反応による発電)なのか?
内燃機関(ガソリン及びディーゼルエンジン)の場合、その熱効率は?
化石燃料による火力発電の場合、その熱効率は?
再生可能エネルギー(水力、太陽電池、風力等)の場合、その安定性は?
原子力の場合、その安全性は?
燃料電池の場合、水素を生成し高圧縮する環境負荷は?
電気を蓄えるための車載蓄電池の製造工程での環境負荷は?
それぞれの工程間の輸送に関わる環境負荷は?
それぞれのコストは?
・・・・
など、他にも多くの要素を漏れなく考えなければWell To Wheelを求めることが出来ませんが、全てに今後の技術開発で大きな可能性があります。
熱効率とは投入された熱エネルギーに対して、どれだけ有効な仕事として(熱機関、エンジンの場合)、あるいはどれだけの電力量として(発電所の場合)取り出せたかです。
ガソリンエンジンの熱効率は1980年代では30%程度でしたが、最新の市販車では40%前後までになっており、研究室では50%も超えています。
石炭火力発電では40%前後、天然ガス火力発電では50%前後となっています。
仕事として取り出せなかった残りは、熱や音、振動などとして放出され、仕事として使用した分も最終的には熱として大気へ放出されます。
そして、このエネルギーの流れとCO2には密接な関係があるわけです。
自動車の環境問題
根本的には、地球温暖化、大気汚染、化石燃料の枯渇と言ったことが上位課題なのでしょう。
地球が温暖化しているとするならば、それは人為的なものかどうかはともかくとして、大気中のCO2を削減すれば押さえることが出来るのではなかろうかと考えられています。
大気中のCO2は増加し続けていて、以下の気象庁HPを見ると2014年頃に400p.p.m.(0.04%)を超え、年2p.p.m.程度ずつ増加しているようです。
炭素循環
地球はINPUTとして太陽エネルギーを受け、OUTPUTとしてその反射や地面や海面に吸収されたエネルギーも長期間で放射され、±0のバランスを保っていることが望ましいのですが、色々な要因で変動します。
今はどうも温室効果ガスが大気中に溜まり、この収支バランスが崩れているという事でしょう。
この温室効果ガスの中でもっとも影響が大きいのがCO2(二酸化炭素)と言われています。
地球においてはエネルギーは前記のように大規模なINPUT、OUTPUTがありますが、物質に関してはINPUTは隕石等、OUTPUTは自転の遠心力で僅かに放出される分子程度で、ほとんどないと言えます。
つまり、昨今話題のカーボンは、この地球で総量は変わらず、場所を変えて存在しているのです。
これを炭素循環と言いますが、まずどこにカーボンがあるのか?
陸上(岩石・土壌・水)、海洋、堆積物、化石燃料そして動植物とあらゆるものに存在し、大気中の二酸化炭素(CO2)と交換サイクルを回しています。
植物の光合成により酸素(O2)は大気に放出され、カーボン(C)は有機物として植物の身体となります。
動物は植物を食べ、その成分である有機物を中心として自分の身体を作ります。
動物も植物も朽ち果てて微生物に分解されてCO2として大気へ戻るか、地中で長い年月をかけて化石燃料となるか。
化石燃料は固体が石炭、液体が石油、気体が天然ガスです。
炭素循環の模式図(1990年代)
IPCC(2007)をもとに作成。各数値は炭素重量に換算したもので、蓄積量(箱の中の数値、億トン炭素)あるいは交換量(矢印に添えられた数値、億トン炭素/年)を表している。黒は自然の循環で収支がゼロであり、赤は人間活動により大気中へ放出された炭素の循環を表している。
気象庁HP、参考資料 https://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/shindan/sougou/html_vol2/1_4_vol2.html
カーボンニュートラル
海洋も土壌も大気とカーボンのやりとりを行っており、人間活動でもカーボンを大気へ排出しています。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)によると、人為起源二酸化炭素というのは化石燃料の燃焼及びセメント製造により排出される二酸化炭素と、農地拡大等による土地利用変化(森林破壊)により排出される二酸化炭素をあわせたものという事です。
そして、「大気」と「地上のすべて」とのカーボンの収支が±0となることが「カーボンニュートラル」なのですが、どうもニュートラルになっていないようです。
IPCCの第5次報告書(2013~2014)によれば、
「温暖化には疑う余地がない。20世紀半ば以降の温暖化の主な要因は、人間の影響の可能性が極めて高い。」(95%以上)
となっており報告書の回を追うごとに可能性の値が高くなっています。
ただし、大気中のCO2濃度は、人為的な活動によるものではないなどの反論もいくつか出ています。
気候も自然も絶えず変わっており、とても複雑な温暖化要因が多数ある中で、それがどれほどの影響があるものなのかという見解にも大きな幅があります。
しかしながら、温暖化が進んでいるという事は事実であり、その要因のひとつとして「カーボンニュートラルになっていない」ということがあります。
だからカーボンをどこかに閉じ込めておくことができれば、つまりは化石燃料の消費を減らすことで、カーボンを地中に閉じ込めておくことが有効な手段のひとつであるという事になるわけです。
この大気とのカーボン取引の収支バランスをとり、サスティナブルな世界を実現すること、それがSDGsでしょう。それを目指すことで、特に発電と自動車においては今後も大きく技術開発が進み、実用化するためのコストの問題も解決されていくでしょう。
まずは今出来ることとして、リサイクル、リユース、それに優れたアルミフレームが、微力ながら貢献させてもらえると思っています。
あるる「やっぱり、何度聞いてもカーボンニュートラルの話は壮大すぎて、あるるにはまだちょっと難しいです。でも、その大切さは、前よりもよくわかったような気がします」
博士「よしよし、それで良いのじゃ。環境問題は一歩ずつじゃ」
あるる「SDGsも以前は『ん?なにじーず?』という程度でしたが、今ではちゃんと『えすでぃーじーず』と読めるし、その意味もわかります」
博士「持続可能な・・・?」
あるる「開発目標\(^o^)/」
博士「正解じゃ! 持続といえば・・・以前、この話をした時に遊んだあのラジコンはどうしたかの?」
あるる「もちろん続けてますよ♪ おじいちゃんの指導の甲斐あって、かなり上手になりましたよ〜」
博士「そうか! それはうれしいのぅ。では近々対決してみようぞ!」
あるる「はいっ!喜んで! 負けませんよ〜♪」