【Q&A vol.109】負荷のかかるフレームの経年劣化、継続使用についての安全性について教えてください
公開日時:2022/04/27
【Q】負荷のかかるフレームの経年劣化、継続使用についての安全性について教えてください
負荷のかかるフレームの経年劣化、継続使用についての安全性について教えてください。
【A】「クリープ現象」と「金属疲労」の2つの観点から安全性を考えます
お問い合わせありがとうございます。
これに関して、クリープ現象と金属疲労という2つの観点で考える必要があります。
まず、クリープ現象というのは、荷重を掛け続けた場合、時間の経過とともに歪(ひずみ)が増大する現象です。
金属においては常温ではまず考える必要はありません(樹脂は常温でも起こります)。
ただし、アルミニウムの場合は100℃以上で使用する場合には注意する必要があります。
この表の意味は、100℃では耐力の70%程度(119/173)の応力で1000時間経過すると0.1%の変形が起こるという事です。
1年は365×24=8,760時間なので、温度と荷重がかかり続けるとかなり影響があります。
応力が約1/2の60N/mm2では変形が1桁小さい0.01%となりますから、応力安全率を高めに見ておくことが効果的です。
詳しくは「豆知識 第50回 クリープ現象」をご参照ください。
次に金属疲労です。
金属は弾性限度内の小さな応力であっても、繰り返しかかると破壊に至ることがありこれを疲労破壊と呼びます。
アルミニウム合金5000番台、6000番台の疲労限度は、107回においてだいたい引張り強さの40~55%程度です。
107とは一千万回ですが、10秒に1回、1日8時間、年250日で72万回となるので、この条件で107回だと約13.9年になります。
こちらも応力安全率を高めに見ておくことが必要です。
詳しくは「豆知識 第51回 金属疲労」をご参照ください。