【今月のまめ知識 第71回】 ブラケットの寸法と特徴について

公開日時:2019/02/20

とあるのんきな昼下がり・・・

博士「よーし、あるる。そろそろ午後の授業をはじめようかのぅ」

あるる「はーい、博士。お願いしまーす」

博士「では、よいっしょっと・・・(椅子に座る)」

博士「きゃっ!(><)!」

あるる「博士、どうしたんですか?! ハズキルーペの真似ですか?」

博士「イタタタタ・・・な、なにか、お尻に・・・」

あるる「え?」(スタスタ・・・見にいく)」

あるる「あー、これはリブ付のブラケットじゃないですか。なんでこんなところに・・・」

博士「おー、よく覚えていたの~。偉いぞ、あるる。教えた甲斐が・・・」

あるる「だってリブといったらステーキ・・・あっ・・・」

博士「うーむ、そっちか。さすが食いしん坊。よし、思い出させてしんぜよう。

このリブ付きのブラケットはじゃな・・・」

あるる「あー、ちょ、ちょっと待ってください。まずは着席してからはじめましょうよ」

今月のまめ知識 第42回】ブラケットのタイプによる強度で、

特徴的な3種類のブラケットを紹介しそれぞれの強度についてお話しました。

 

・ABLR-6025-6 2段で結合するアルミニウム合金押出品

・ABLH-6025-6 1段で結合するアルミニウム合金押出品

・ABLD-30-6-N 1段で結合するアルミニウム合金ダイキャストのリブ付きタイプ

 

今回はアルミフレームの接続ブラケット(ダイキャスト製リブ付)に関し、主要寸法の影響についてお話します。

 

圧縮方向荷重

まず、ブラケットの圧縮方向荷重についてはC寸法がポイントになります。

 

例えばブラケットに100N-mの曲げモーメントが掛かった場合に

取付ボルトに掛かる荷重Pは

P=100/C

なので、C寸法が大きくなれば同じ曲げモーメントでもボルトに掛かる荷重が小さくなります。

これは以下の2点に影響します。

 

・荷重によるナット溝の変形

・リブ付ブラケットの場合はボルト位置に応力集中するのでこの部分での変形破損

 

 

引張り方向荷重

次に引張り方向についてはB寸法がポイントになります。

 

こちらも単純にレバー比で、B寸法が大きくなればD寸法が大きくなるので、同じ曲げモーメントでもボルトに掛かる荷重が小さくなります。

これは以下の2点に影響します。

・荷重によるナット溝の変形

・ブラケットとフレーム面の面圧低下による滑り

通常はC寸法よりD寸法の方が大きいので、引張り側の方がより強い荷重に耐えることができます。

 

四角のマスを組み立てる場合は、四隅の内2ケ所が圧縮で、2ケ所が引張りとなり総合的に剛性を持ちますが、片持ちで取り付ける場合などは圧縮方向と引張り方向で差がある事を注意する必要があります。

T型で両側にブラケットを取り付けた場合は、P, Q面の摩擦力も影響するので条件は変わり、より強くなります。

これらの特徴を理解して使う事で、要求される剛性を確保できる設計を行ってください。

博士「どうじゃな、あるる。わかったかの?」

あるる「はいっ! 前回の授業も思い出しました。柿とバナナの話もしましたよね」

博士「まさか、思い出したのはそれだけでは・・・?」

あるる「違いますよ!ちゃんと内容も思い出しましたよ。そして理解しました。やっぱりブラケットはすごいです」

博士「そうか、すごいか?」

あるる「はいっ。だって、こーんなに小さいのに、こーんなに長いフレームを支えることができるんですから!」

博士「そうじゃ。そして、支えるにはポイントがあるんじゃ」

あるる「はいっ! あるるも博士からポイントがいっぱいもらえるよう、支えていきたいです!」

博士「そっちのポイントじゃないんだが・・・」

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