【今月のまめ知識 第42回】ブラケットのタイプによる強度
公開日時:2016/09/20
あるのどかな昼休み。珍しく雑誌を読みふけっているあるる。
あるる「博士ぇ〜、目の前に果物があるとしたら、どんな味?」
博士「なんじゃ、突然。何かのゲームか?」
あるる「心理テストですよ。いいから、直感で答えてください」
博士「うーん、じゃ、甘い」
あるる「好きな季節は?」
博士「秋じゃな」
あるる「気があいますね。食欲の秋ですからね〜」
博士「わしのは、学問の秋じゃ」
あるる「う〜ん、なるほど〜。博士のタイプは…」
博士「なんじゃ?」
あるる「大器晩成の柿タイプですって!」
博士「ええ〜、大成するのはまだ先じゃってことかのぅ(笑)
で、あるるはどうじゃった?」
あるる「気軽なバナナでした」
博士「よくわからんが、バナナっぽいかもしれんのぅ…」
あるる「どういうことですか」
博士「いや、陽気でわかりやすいってことじゃ(笑)」
博士「ま、人には色んなタイプがおるからのぅ。
タイプによって性格も行動パターンも変わるじゃろうて」
あるる「いろんな人がいますもんねー」
博士「そうじゃ。タイプと言えば、前回話したブラケットにも
タイプがあるんじゃが、その説明はしたかの?」
あるる「いいえ、聞いてませんけど…(多分)」
博士「聞き逃したか、忘れたわけではあるまいな?」
あるる「違いますよー。この前はちゃんと起きてましたから」
博士「そうか、よし、今日はそのタイプの話をしようとするか」
前回は、コーナーブラケットの取付方向と強度についてお話ししましたが、
ブラケットのタイプによっても強度は大きく変わります。
これについて特徴的な3種類での試験データを説明します。
まず試験対象としたのは1列溝用の3種です。
・ABLR-6025-6 2段で結合するアルミニウム合金押出品
・ABLH-6025-6 1段で結合するアルミニウム合金押出品
・ABLD-30-6-N 1段で結合するアルミニウム合金ダイキャストのリブ付きタイプ
試験方法は前回同様で、下図の通りです。
圧縮方向では下図のようになります。
次に引張方向では下図のようになります。
このように、圧縮方向では大きく差が出ますが引張方向では、ほとんど差がありません。
ボルトを2段で固定するABLRタイプが強いのは当然ですが、
ABLDタイプが意外と強く、低負荷域ではABLRタイプと
ほぼ同等の強度を持っています。
実際の使用では片持ちで使用することは稀で、
ほとんどの場合には部材両端で固定する形になりますが、
特性を理解しておくことでより良い設計が可能になります。
あるる「へぇ〜、同じ役割なのに、タイプによってずいぶん違うんですねぇ〜」
博士「その通り! 良いことを言うじゃないか。それが個性を産むんじゃな」
あるる「なるほど…」
博士「そして用途によって選べるようにするところが
「ものづくり」の「思いやり」なのじゃ」
あるる「くぅ〜、カッコいい!! そんなものづくりの人になりたーい\(^o^)/」
博士「おお、やる気になってくれたか、よろしい、よろしい」
あるる「頭を使ったらお腹がすいて来ました。おやつにしましょう!
エネルギー補給にはバナナですね!」
博士「ははは。やっぱり落ち着くところはそこなんじゃな」