【今月のまめ知識 第60回】 生産性について
公開日時:2018/03/19
とあるのんきな朝のひと時
博士「おは・・・」
あるる「パンパカパーン!!博士ぇ〜、おめでとうございます!!
(パーン!パーン!クラッカーが弾ける!)
博士「・・・・あ、あ・・・」
博士「あ、あるるよ。一体、何事じゃ?」
あるる「あー、やっぱり忘れてましたね。なんと!博士とあるるのこのコーナー、今回でめでたく60回!を迎えたんです!\(^o^)/!」
博士「ほぅ、60回か。もうそんなになっておったのか!」
あるる「そうですよぉ〜、博士とのお付き合いも、かれこれ5年ですから」
博士「5年か。。。そのわりにはあるるの成長が遅いようじゃが(笑)」
あるる「これでもちょっとずつ育ってるんです!」
博士「60回か・・・感慨ぶかいのぅ。60は我々にとって、大事な数なんじゃ。では、ここで質問じゃ。あるるよ、時間は?」
あるる「あっ! 60秒で1分、60分で1時間だ!」
博士「正解。では、人が60歳を迎えたら?」
あるる「還暦だっ! 先月おばちゃんが赤いちゃんちゃんを着せられてました」
博士「それはおめでとう(笑) 十二支がぐるっと一回りするのに60年かかる。60歳はその人が生まれた干支に戻るから、特別にめでたいとされておるんじゃよ」
あるる「へぇ〜、勉強になります」
博士「そうなんじゃ。60は「時間」ととても関係が深い数字なんじゃよ。よしっ! 今日は60回を記念して、特別講座とまいろうか!」
あるる「まいろー、まいろー、ういろーも食べたーい!!」
今回は第60回です。60という数は約数が非常に多く、また時間の単位である秒、分は60進法であり、とても魅力のある数です。
そして時間といえば、働き方改革、生産性が思い浮かびます。今回は60回を記念し生産性の正体に迫ってみたいと思います。
まず、生産性とは式で表すと
生産性=OUTPUT/INPUT
労働生産性の場合、OUTPUT(生産量)をどれだけのINPUT(労働力)で生み出したか。
あるいはOUTPUT(付加価値額)をどれだけのINPUT(労働力)で生み出したか。
但し、国際社会(国別のランキングなど)では
労働生産性=GDP/人数 (購買力平価で調整)
となります。
人数は国全体の人口の場合もあれば、就労者数の場合もあります。
国際的に比較されているのはつまり一人当たりのGDPという事になります。
GDPは国全体で生産された付加価値の総和ですから、ここでは労働生産性=国民一人当たりが生産した付加価値額です。
このように一口に生産性といっても様々な定義がありますが、今回はその歴史から掘り下げてみたいと思います。
生産性とは人類が原始時代に石器などの道具を作り始めた時から連続的に向上し続け、それによって我々の生活を豊かにしている素晴らしいものです。
アダム・スミス(英国)は18世紀後半に著書「国富論」にて、国を豊かにするのは、「生産性の向上と適切な分配」と言っています。
実はこれはセットです。まず自給自足で畑仕事から大工、衣服づくりまで行っている状態から、分業化するとそれぞれを効率よく生産することができます。ただし、自分が作ったものと他の人が作ったものを交換しなければなりません。
要するに「生産性の向上と適切な分配」とは、たくさん利益を出すため1日当たりに、たくさん作りたい、それを上手に売りたい。という事ですね。
ところがその後、カール・マルクス(ドイツ・プロセイン王国)は19世紀後半に著書「資本論」にて、生産性の低下は不可避であり、労働者階級は貧しくなり、搾取者は富むという社会の2極化が起こると言ったのです。
そうして資本主義経済の危険性を指摘したのですが、競争のない経済がうまく行かなかったことは言うまでもありません。
しかし歴史がその結果を導き出すより前、19世紀終盤にフレデリック・テイラー(米国)が、マルクスの言った生産性の低下から方向転換が可能である事を見出したのです。それは多く生産するために長く働くという事ではなく、賢く働くという事だったのです。
そして20世紀に入って論文発表し、1911年には「科学的管理法の原理」を出版しました。
彼はストップウォッチを持って要素作業の時間を計測し分析しました。熟練工の作業を分析し、作業の標準化、マニュアル化をして経験の浅い人でも熟練工に近づけることができました。ここから効率的に生産するための生産管理が始まり、20世紀において世界は急速に発展して豊かになったのです。
そして最後に、ピーター・F・ドラッカー(オーストリア生れ)です。その著書「マネジメント」の中で仕事を生産的なものにするには
①分析、②総合、③管理、④道具
が必要であると言っています。
そして必ずアウトプットから考える、知識や技能などのインプットからスタートしてはならない。それらは道具にすぎない。
また、今日では事務からサービスの仕事まで、肉体労働と同じアプローチにて適応できると言っています。
ものづくりの現場に限らず、ほとんどの仕事はアウトプットを生んでいる、つまりは生産しているという事であり、経営・管理側がマネジメントを行い、生産性を高めることが豊かさに結びつくと言えるでしょう。
そして何故、経営・管理側のマネジメントが重要なのかというと
ひとつ目は現場で効率化を実施して1日当たりの生産量を増やしても需要のないものは付加価値を生まないという事。
ふたつ目は全く別の手段を導入することで優秀な仕事ができる人を低付加価値の作業から解放するという事。
そして今、製造分野に置いて生産性を向上させるために最も行うべきことはFA化(ファクトリーオートメーション化)、ロボット化、システム化(IoT化)である事は疑いのないところです。
そのための設備を製作するという仕事の生産性を向上させるための道具として、アルファフレームシステムの「カクチャ」、「マーキングシステム」がとても有効な手段となり、これをドラッカーのマネジメント【エッセンシャル版】にある生産性を上げる6つの要因に当てはめると
① 知識 → カクチャによる作図、詳細部品がメーカーにより最適選択される
② 時間 → マーキングにより組立時に考える、探す時間の削減
③ 強み → 詳細設計を依頼することで、お客様は専門分野に集中できる
④ 製品の組み合わせ → 樹脂板、金属板もセットで購入
⑤ プロセスの組み合わせ → アウトソーシングする部分の最適化
⑥ 組織 → マーキングにより組立側に最適情報が届くことで組織が無駄なく機能する
まさに生産性向上に最適な手段となります。
博士「どうじゃな、あるる。60回記念の特別講座は?」
あるる「はいっ!楽しかったです!さすが“特別”だけあって、普段とはひと味違いましたねー。歴史もわかったし・・・なんか、すごく賢くなったような気がします!」
博士「ま、気のせいじゃと思うが・・・」
あるる「もう、博士ったら〜。でも、生産性の本質がわかると、働くことの大切さがわかりますね。あるるは近い将来、賢いものづくり人になります!!」
博士「よく言った! えらいぞあるる! よし!そのためには日々学習じゃ。賢くなってもらうために、今日はたっぷり宿題を出すぞ〜!」
あるる「え、ええーーー・・・」