【今月のまめ知識 第32回】ボルトの強度について
公開日時:2015/11/25
ボルトの強度について
ボルトは同サイズであっても、様々な材質、熱処理のものがあり、
強度が大きく異なります。
ボルトの頭に、「8.8」や「10.9」などと表示されているものがありますが
これは強度区分を表しています。
また、頭に表示されていなくても、箱に表示されていることが多いです。
たとえば、炭素鋼等製のボルトの強度区分は、以下の通りJISで10段階に分けられています。
中の「. 」は小数点ではなく「区切り」を意味しています。
点の左側の数値は呼び引張り強さ、点の右側の数値はその何パーセントまでが
弾性限度(降伏点、耐力)であるかという意味です。
「8.8」とは、呼び引張り強さが800N/m㎡、
弾性限度がその80%で640N/m㎡という意味です。
同じ材質であっても熱処理等により強度が異なりますから、注意が必要です。
ステンレスボルトの規格
また、ステンレスボルトは別の規格で表示されます。
一般的なオーステナイト系ステンレスボルトの強度は、以下の通りです。
【今月のまめ知識 第13回】 座金組込みボルトを標準としているわけ でお話しましたが、
当社では「ばね座金」と「平座金」を組み合わせた「座金組込みボルト」を標準化した
「APBシリーズ」2種と「CSWシリーズ」2種があります。
APBは「アプセットボルト」
CSWは「座金組み込み六角穴付ボルト」で、
それぞれ材質はスチール製とステンレス製があります。
また、CSは「六角穴付ボルト」です。
強度区分は以下のものを使用しています。
APBシリーズ: 4.8
CS,CSWシリーズ: 10.9
APBSシリーズ: A2-50
CSS,CSWSシリーズ: A2-70
ボルトを手配するときにはサイズだけでなく、必要な強度区分も指示しないと
目に見えないトラブルを招く可能性があります。
博士「どうじゃ、あるる。こっちの「ボルト」のことも、ちゃんとわかったかの?」
あるる「ホントですよ。「ボルト違い」にはびっくりしましたよ(笑)」
博士「ふぉっふぉっふぉっ(笑)」
あるる「でも、そのおかげで、“ボルトの強さ”のポイントがよくわかりました!」
博士「よしよし。学びのきっかけは、面白い方がいいからのぅ」
あるる「博士、来年のリオのオリンピックは、一緒にボルトを応援しましょうね!」
博士「もちろんじゃともっ! よし、そのときには、
とっておきのワインのボトルを開けるとしよう!」
博士「あのビンテージワイン、いつ飲もうかと思っていたんじゃ。
ちょうどいい機会じゃ♪(ウキウキ)」
あるる「ふっ、博士ぇ〜。今度は、ボルトとボトルですかぁ〜」
あるる「あんまり面白くないから、座布団は上げられませんねぇ〜」
博士「い、いや、そんなつもりじゃ・・・」