【今月のまめ知識 第32回】ボルトの強度について

公開日時:2015/11/25

博士「おはよう、あるる。今日の授業は“ボルトの強さ”についてじゃ」

 

 

 

あるる「いよっ! 待ってました! ボルト、いいですよねー。大好きです!」

 

 

 

博士「ボルト好きとは珍しいのぅ。でも、何にでも興味を持つことはよいことじゃ」

 

 

 

あるる「だって、ボルト、カッコいいですもん!」

 

 

 

博士「そうか、カッコいいか。あの機能美がわかるようになったのか。

 

うんうん、すごいぞ、あるる」

 

 

 

あるる「しかも、ここぞ!というところを外さない…」

 

 

 

博士「そうなんじゃ! すごく大事な役目を担っているんじゃ! こう、キュッキュッと・・・

 

 

 

 

 

あるる「あるるも、あんなに速く走れたらいいなぁ〜(うっとり)」

 

 

 

博士「そうじゃ・・・えっ?! 走る???? 何を言っているのじゃ、あるるは?」

 

 

 

あるる「へっ? ボルトの話ですよ。ボルト。強いですもんねぇ〜、ウサイン・ボルト。

 

なんといっても、人類最速の男ですからね!」

 

 

 

博士「あ、う・・・確かに、そのボルトも、強いな・・・」

 

 

 

あるる「今やジャマイカの、いや、世界のヒーローですよ。今までで金メダル6個!

 

今年のリオ五輪で引退するって、いやー、惜しいなぁ〜」

 

 

 

博士「・・・ははは・・・。これぞボルトの掛け違い・・・なんちゃってぇ〜。

 

ささ、授業を始めるぞ」

 

 


 

ぼると

 

 

 

ボルトの強度について


 

ボルトは同サイズであっても、様々な材質、熱処理のものがあり、

強度が大きく異なります。

 

ボルトの頭に、「8.8」や「10.9」などと表示されているものがありますが

これは強度区分を表しています。

また、頭に表示されていなくても、箱に表示されていることが多いです。

 

たとえば、炭素鋼等製のボルトの強度区分は、以下の通りJISで10段階に分けられています。

 

steel

 

中の「. 」は小数点ではなく「区切り」を意味しています。

 

点の左側の数値は呼び引張り強さ、点の右側の数値はその何パーセントまでが

弾性限度(降伏点、耐力)であるかという意味です。

 

「8.8」とは、呼び引張り強さが800N/m㎡、

弾性限度がその80%で640N/m㎡という意味です。

 

同じ材質であっても熱処理等により強度が異なりますから、注意が必要です。

 

ステンレスボルトの規格


 

また、ステンレスボルトは別の規格で表示されます。

一般的なオーステナイト系ステンレスボルトの強度は、以下の通りです。

 

sus

 

【今月のまめ知識 第13回】 座金組込みボルトを標準としているわけ でお話しましたが、

当社では「ばね座金」と「平座金」を組み合わせた「座金組込みボルト」を標準化した

「APBシリーズ」2種と「CSWシリーズ」2種があります。

 

APBは「アプセットボルト」

CSWは「座金組み込み六角穴付ボルト」で、

それぞれ材質はスチール製とステンレス製があります。

また、CSは「六角穴付ボルト」です。

 

強度区分は以下のものを使用しています。

 

APBシリーズ: 4.8

CS,CSWシリーズ: 10.9

APBSシリーズ: A2-50

CSS,CSWSシリーズ: A2-70

 

ボルトを手配するときにはサイズだけでなく、必要な強度区分も指示しないと

目に見えないトラブルを招く可能性があります。

 

 

博士「どうじゃ、あるる。こっちの「ボルト」のことも、ちゃんとわかったかの?」

あるる「ホントですよ。「ボルト違い」にはびっくりしましたよ(笑)」

博士「ふぉっふぉっふぉっ(笑)」

あるる「でも、そのおかげで、“ボルトの強さ”のポイントがよくわかりました!」

博士「よしよし。学びのきっかけは、面白い方がいいからのぅ」

あるる「博士、来年のリオのオリンピックは、一緒にボルトを応援しましょうね!」

博士「もちろんじゃともっ! よし、そのときには、

とっておきのワインのボトルを開けるとしよう!」

博士「あのビンテージワイン、いつ飲もうかと思っていたんじゃ。

ちょうどいい機会じゃ♪(ウキウキ)」

あるる「ふっ、博士ぇ〜。今度は、ボルトとボトルですかぁ〜」

あるる「あんまり面白くないから、座布団は上げられませんねぇ〜」

博士「い、いや、そんなつもりじゃ・・・」

 

アルルちゃん03

 

 

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