【今月のまめ知識 第20回】 アルミフレームの使用が向かないもの
公開日時:2014/11/20
博士「あるる、どうしたんじゃ? 一人でニヤニヤして…
妙なものでも食べたんじゃないのか? もしやキノコ…?!」
あるる「ああ、この季節のキノコは最高ですからねぇ〜・・・って、食べませんよ!!
いえね、博士。このところ「アルミってスゴイ!」ということをたくさん
教えてもらっているじゃないですかー」
あるる「だからね、ぜぇ〜んぶアルミでお家を作ったらすごいんじゃないかなぁ〜って
想像してたんです」
あるる「玄関も、屋根も、車庫も、ベランダも、ぜぇ〜んぶアルミ♪
これぞ、アルミ御殿なりぃ〜\(^o^)/ 将来、そんな家に住みたいんです!」
博士「・・・」
あるる「あれあれ?! 博士、反応が薄い・・・」
博士「うぉっほん。あるるよ、アルミをそんなにリスペクトしてくれるのは
大変ありがたいのじゃがな・・・」
あるる「え・・・ ( ゚д゚ )!」
博士「実は、アルミを使うのをおススメできないものもあるんじゃよ」
あるる「えええっ! なんですってぇ ━━Σ(゚Д゚;)ぇっ!」
博士「驚き過ぎじゃ、あるる。
よし、それでは今日は「アルミは何に向かないか」について勉強することにしよう」
軽くて丈夫。組合せも自由で、様々なケースにも柔軟に対応できる
アルミフレームですが、全てに万能なわけではありません。
中には適さない用途もあります。
使用不可というわけではありませんが、
注意をしないと、思わぬ不具合につながることもありますので
今回は、アルミフレームのネガティブな面に
フォーカスしてみたいと思います。
1)フォークリフト等で積み下ろしするラック
フォークリフトで取り扱う場合には、どうしてもツメをぶつけてしまい、
フレームの曲りやボルト結合部の破壊を招くことがあります。
スチール溶接構造の場合は変形してもハンマーで叩いて直したり、
亀裂が入った部分を溶接するなどの現場での修理が可能ですが、
アルミフレームでは損傷した部分の交換が必要となります。
2)摺動面(機械の装置などをすべらせながら動かすこと)
物が擦れるという事に関しては、表面の摩擦係数と硬さが問題になります。
アルミニウム合金は柔らかく、また当社のアルファフレームは表面に
アクリルコーティングがあり、摩擦係数が高くなっていますので
摺動面には向きません。
軽量物を滑らせる場合には、アルファフレーム表面を保護する
フェースライナー(FR-**シリーズ)を装着することで対応できます。
3)鋳鉄フレームなど減衰性を目的としたもの
アルミフレームと鋼材では、同等の剛性であれば振動に対する減衰も同等です。
しかし、工作機械のベッドのように高い周波数の微細な振動を防ぐ目的で使用されている鋳鉄の代替は困難です。
尚、アルミフレームの減衰性を高める高減衰処理という方法があり、これが有効な場合もありますのでご相談ください。
4)屋外での使用
アルファフレームシステムは、屋内での使用を前提として設計されています。
フレーム外周は屋外でも充分な耐候性を持っていますが、
中空内部に水が入ると腐食が進行します。
また、アクセサリー類も屋内での使用を前提としていますので、
屋外で使用する場合には、フレーム中空部に水が浸入しない対策を施し、
アクセサリー類は、ステンレス製を選定するなどの条件を整える必要があります。
水がかかるところでの注意事項及び対策については、
10月号のQ&Aに掲載しておりますので、そちらをご覧ください。
【Q&A vol.19】 水がかかるところで使用できますか?
同じ剛性であれば、スチールよりも軽量にできて便利なアルミフレームですが、
異なる特性を理解してお使いいただければ幸いです。
【参考:第8回 アルミとスチール、どう違う? ~アルミフレームの向き不向き~】
あるる「・・・なるほど… よくわかりました…
アルミ御殿は、夢のまた夢だったんですね…(しょぼぼぉ〜ん)」
博士「おいおい、あるる。そんなにがっかりしないでおくれ。
何事も適材適所。何もアルミが不得意なことをムリにやらせる
必要などないんじゃ」
博士「得意分野をやらせてこそ、本来の持つ力を発揮できる・・・
これはアルミも人も、同じじゃな」
あるる「博士、深い! 相変わらず良いこといいますね!
ということはっ、あるるも不得意なことはやらなくてもいいんですねっ!
わーいっ! 今日から勉強はしないぞーっ! 遊ぶぞーっ! 食べるぞーっ!」
博士「これ、あるる! すぐ調子にのりおってっ!!」
博士「教育は別じゃ! 得意分野を伸ばすのは、ある程度育ってからじゃ!
お前はまだまだ覚えることが山のようにあるんじゃぞっ!」
あるる「うぇ〜ん また叱られたぁ〜(´Д`)」