【今月のまめ知識 第21回】 アルミフレームで構造体を設計するときのコツ
公開日時:2014/12/16
博士「おい、あるるよ。何をガタガタやっておるんじゃ?」
あるる「あ、博士。良いところに来てくれました!
ちょっと前に、アルミで椅子を作ったじゃないですかー」
博士「おお、あれはよく出来ていたのぅ」
あるる「今でもピカピカですよー。でね、博士。
この机、最近なんだかガタガタしてるから
いっちょ作ってみようと思いまして・・・」
博士「で、木の板にアルミフレームを取り付けようと・・・?」
あるる「その通りです! さぁ、博士も手伝ってくださいよ」
博士「あるるよ、やる気をそぐ様で申し訳ないが、
それではあるるがちょっと力をかけただけで倒れてしまうぞ」
あるる「えっ! ええっー??! そうなんですか?」
博士「こういう構造物を作るときには、コツがあるんじゃ」
博士「ラーメン構造って、聞いたことあるかな?」
あるる「はぃ? ラーメン小僧?!
おいらの事ですか? ラーメン大好き! ラーメン小僧\(^o^)/」
博士「いや・・・そうじゃなくて・・・」
アルミフレームとスチール溶接構造との大きな違いは、
溶接ではなくブラケットを使用してボルト結合するということです。
太いアルミフレームを使用しても、その結合がしっかりされていないと、
アルミ本来が持つ強さを発揮できません。
2014年1月の
「【今月のまめ知識 第10回】 有効に「剛性」を出す組合せ」で
ご説明したように
両端支持梁と両端固定梁では、同じ集中荷重がかかった場合に、
そのたわみ量は4倍も異なるということからも
おわかりになると思います。
理想は、周囲4方向すべての面にブラケットを取り付けることですが、
実際には内側しか取り付かない、またはその内側も干渉物があって
1方向しか取りつかない場合などもあります。
取付くブラケットのみでは充分な結合剛性が得られない場合には
・ブラケットのみでなく座グリ、端面タップ加工も併用する。
・アルミフレームに取り付けるプレートにも接続機能を持たせる
といったことが有効です。
また、フレーム構成も重要な要素です。
単純な口型で、内側のみのブラケット配置では
平行四辺形になるような力がかかった場合に、充分な剛性がありません。
そこで有効な方法は、ラーメン構造(日の字、目の字といった梯子型形状)に
することです。
具体的には
・装置架台の縦柱を4隅のみではなく中間にも配置する
・装置架台の4隅の柱を上部まで延長して、
カバーフレームを兼ねて一体構造とする
ということになります。
このような構造にした場合、天井から搬送ユニットなど
取付け部に剛性が必要なユニットを、直接取り付ける事が出来るという
メリットがあります。
ベースからスタンド等を立ち上げる必要がないため
コンパクトでメンテナンス性も良いレイアウトが可能となります。
あるる「ラーメンは小僧じゃなくて「構造」だったんですね・・・」
博士「最初からそう行っているじゃろう。なんだ、その悲しそうな顔は」
あるる「はっ、悲しげですか? ( ゚д゚ )! でも、おかげさまでしっかり覚えました!」
博士「そうか、よしよし。説明した甲斐があったか」
あるる「はい!もちろんです。ラーメンは強いんです!
さすが、ラーメン! エラいぞ、ラーメン!\(^o^)/」
博士「・・・本当にわかってくれたのじゃろうか・・・心配じゃのぅ」