【今月のまめ知識 第22回】 アルミが「リサイクル」に向いているワケ
公開日時:2015/01/27
あるる「ごくごく・・・ぷふぁ〜っ!
授業前のジュースは、いつのんでも格別だなぁ〜」
ごちそうさまでした(-人-)」
当然のようにあるるは「燃えないゴミ」に空き缶を投げ入れようと
した、まさにその瞬間・・・!!
博士「こらっ! あるるっ!」
あるる「ひっ Σ(゜∀゜ノ)ノ な、なんですか、博士、急に・・・」
あるる「もう飲んじゃいましたよ。ひと口欲しかったんですか?
だったらもうちょっと早く来ないと・・・」
博士「いらんわい!」
博士「そうじゃない。空き缶をゴミ箱に捨ててはならんと言っているんじゃ」
あるる「へ? 燃えないゴミでも・・?」
博士「そうじゃ。あるるよ、「資源ゴミ」のことは知っておるな。
リサイクル可能な素材は「ゴミ」ではなくて大事な「資源」なんじゃ」
博士「そして、あるるが今持っているアルミ缶は、特に
リサイクルに向いているんじゃよ」
あるる「へぇ〜、そうなんですか。ちーとも知りませんでした」
博士「よし! ではこれから、アルミがいかにリサイクルに優れているかを
説明してしんぜよう。よく聞いておくんだよ」
あるる「はいっ!博士!」
記念すべき第一回の【今月のまめ知識 第1回】アルミフレームってなに?で、
アルミニウムのリサイクル性についてお話ししましたが、
今回は色んなものがリサイクルされている中でも
アルミニウムがリサイクルに向いていると言われる理由をお話しましょう。
なぜアルミは「リサイクル」に向いていると言われるのか?
私たちの身の回りでは、古紙やガラス、スチール、アルミ、PETなど
色々なものがリサイクルされています。
「リサイクル=エコ=省エネ」 というイメージがありますが、
物によってはリサイクルする方が、
より大きなエネルギーを必要とするものもあります。
アルミニウムの新地金は、ボーキサイトを原料として莫大な電力を使って作られます。
しかし、溶解再生するエネルギーは、新地金の場合の約1/30と非常に小さく
約97%もの大きなエネルギーが節約出来るのです。
少ないエネルギーで、何度も繰り返し使えることから、
アルミニウムはリサイクルの優等生と言われるのです。
また、再生品の品質が新品とほとんど変わらないことも、大きな利点です。
大きなエネルギーを節約し、ゴミにならないアルミニウムは
地球に優しいエコな金属なのです。
博士の余談…
ちなみに「エコ」というと、以下の3つがあります。
・Reduce(消費量を減らす)
・Reuse(再利用する)
・Recycle(形を変えて物質として使う)
この中で最もエコなのは「Reduce」ですが、
なかなか難しいことですね。
最適設計をして無駄な材料を使わないように努めることが大事です。
その次にエコなのは「Reuse」です。
こちらは使用しなくなったものを分解して、
使用できるものを取り出すということになり、
組立式のアルミフレームならではの方法とも言えます。
ただし、分解や清掃の手間、次に作るものに合わせるための再切断など、
ある程度のエネルギーが必要となります。
(熱力学的には不要になって無秩序具合が大きいもの→エントロピーが大きい。
新たな用途に作り変えて無秩序具合が小さいもの→エントロピーが小さい。
再利用のためにかけるエントロピーが、上記2項目の差より小さければエコとして有効)
そして「Recycle」は、理論的には3種の中でエコ度は最下位ですが、
非常にやり易い(分別して廃棄するだけ)方法であり
現実的には最も有効なエコと言えます。
さらにもうひとつ、大切な「R」があります。
それは「Refund(リファウンド)」です。
きちんと分別して回収業者へ渡せば、
対価を受け取ること(Refund)ができます。
たとえば、アルミニウム合金でも5000番台、6000番台という
グループで分けるということです。
(アルミフレームはA6063S、A6N01Sであり、すべて6000番台として混合可)
3つのRに加えて、もうひとつのR→Refund。
この機会にぜひ覚えてください。
博士「どうじゃ、あるる。わかったかな?」
あるる「はい!博士! 新しいアルミを作るのと、リサイクルするのとで
97%も節約できるってところが、特にグッときました」
博士「そうか、そうか。そこまで理解してくれたか。エラいぞ、あるる」
あるる「明日から、いえ、たった今から、あるるはリサイクルに貢献しますっ!」
あるる「それでは、博士。失礼!」
博士「なんじゃ、もう帰るのか?」
あるる「いえ、そのコンビニまで。
もう1本、ジュースを飲んで、
空き缶を作らなければなりませんから(キリッ!!)。
それではっ!」
博士「・・・ お腹、壊すなよ・・・」