いまさら聞けない基礎用語【エ】#007 エネルギー変換 

公開日時:2022/03/23

エネルギー変換 energy conversion

みなさん、こんにちは。基礎用語、案内役のあるるです。

今回注目する基礎用語は、エネルギー溢れる春にピッタリな、この用語です♪

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今月の基礎用語:エ #007
エネルギー変換 (energy conversion)

 

あるる「あっ! 桜がもう咲いています! ほら、ここにも。あっ、あそこにも!!」

博士「まさに芽吹の春じゃのぅ。来週あたりには、見頃になるかもしれんな」

あるる「はいっ! そうしたら一緒にお花見しましょうね♪」

博士「あるるは、お花より・・・こっちじゃろう?!」

あるる「あっ! お団子だっ\(^o^)/♪」

博士「ふぉっふぉっふぉっ、いい反応じゃ。美味しいお団子をたくさん用意して待っておるから、本日の基礎用語、バシッとまとめて来なさい」

あるる「はいっ! お団子の名にけて!! いつもよりエネルギッシュに説明して参ります!!」

博士「おお、お団子パワーがやる気に変換しおったぞ(笑)」

 

 

 

 

 

 

エネルギーの種類

前回の「カーボンニュートラル」に関連して、今回はエネルギーの話をしたいと思います。

 

環境問題を議論する中で必ず出てくるエネルギーとは、仕事をすることが出来る能力の事です。

ここでいう仕事は物理学での仕事であり、この能力がエネルギーで、同じ単位で表されます。

 

エネルギーにはいろいろなものがあり、

  • 力学的エネルギー(運動エネルギー、位置エネルギー)
  • 熱エネルギー
  • 電気エネルギー
  • 原子核エネルギー(核分裂、核融合)
  • 化学エネルギー
  • 光エネルギー

などがあります。

単位は「J(ジュール)」であり、SI単位系で表すと

1J=1W*1s

と、なります。

 

つまり、1Jとは1Nの力で1mの距離を動かす仕事に相当するエネルギーであり、
1Wとは1秒間に1Jの仕事をする仕事量の事です。

 

実は原子力、地熱、海水の干満以外のエネルギーは、すべて「太陽」が源です。

 

地熱は地球内部の熱であり、地球の自家発電のようなもの。
海水の干満は月と太陽の引力に寄るので、太陽も関わりはありますが、宇宙空間でのバランスなので、太陽エネルギーというわけではありません。

 

エネルギー変換

光エネルギーというと太陽光発電が思いつくでしょうが、代表的なものは植物の「光合成」です。
これは光エネルギーを化学エネルギーに変換して大気中のCO2からCを取り込んで体を作り、結果的に我々の身体になっているのです。

 

ソーラーパネルは光エネルギーを電気エネルギーに変換しています。


電池(蓄電池、燃料電池)は、化学エネルギーを電気エネルギーに変換しています。

モーターは電気エネルギーを運動エネルギーに変換しています。

内燃機関は、石油の化学エネルギーを熱エネルギーに変換し、さらに運動エネルギーに変換しています。

そして、それぞれの変換時に、熱や音、振動(最終的にすべて熱)としてロスが出ます。

 

エネルギー換算

色々比較して考える基準モデルとして、時速50kmで走行している1.3tonの乗用車として設定してみます。

 

●運動エネルギー

この運動エネルギーは

 

この乗用車が停止するまでに、これだけのエネルギーを放出します。

 

ブレーキを掛ければその発熱として、惰性で停止しても軸受けや歯車、タイヤの摩擦、空気との摩擦による発熱等のトータルがこのエネルギーになります。そして、EVにおける回生エネルギーは、走行している運動エネルギーの大部分を電気エネルギーとして回収するわけです。

 

●熱エネルギー

このエネルギーを試しに熱に換算してみましょう。

20℃の水、1リットルを50℃まで上昇させるエネルギーは

 

となり、前出の運動エネルギーとほぼ同等です。

つまり、この乗用車を停止させるために放出される熱エネルギーは、50℃、1リットルの水が20℃まで下がるときに放出する熱量に等しいという事になります。

急停止でも惰性でゆっくりの停止でも同じです。

 

●位置エネルギー

次に運動エネルギーと位置エネルギーですが、上記条件を位置エネルギーに変換すると

 

となり、1.3tonの乗用車を9.84mの高さから落下させたときのエネルギーとなります。摩擦による熱損失がないと仮定すれば、垂直落下でも坂道を転がり落ちる場合でも同じです。

 

ちなみに、一般家庭の1ヶ月の電気使用量は250kWh程度なので、ジュールに換算すると

となり、基準モデルの約7,178倍になります。

 

●原子核エネルギー

次に原子核エネルギーを考えてみましょう。
質量1gはどれほどのエネルギーを持っているのか?

となり、基準モデルと比較すると

基準モデルの約7億倍。つまり、1gの原子核エネルギーは、時速50kmで走行する1.3tonの乗用車約7億台分のエネルギーという事になります。

 

核分裂ではなく、放射能を出さない核融合発電が実現できれば素晴らしいです。

エネルギーの有効化

また、エネルギーは変換時にロスが出るわけですが、変換前と変換後のエネルギーの総量は同じです。これは言うまでもなく“熱力学の第一法則”(エネルギー保存の法則)です。

 

そして、熱として放出されロスとなった分はすべてを取り戻せません。これは熱エネルギーの不可逆性を言った“熱力学の第二法則”(エントロピーの法則)です。

 

つまり、エネルギーの種類も大事ですが、コジェネ(コージェネレーション/熱電併給)などで出来る限り排熱を回収することも大変有効であることがわかります。

 

ちなみに、大気に放出された熱は宇宙に放出されますが、宇宙はビッグバン以降、膨張・冷却を続けているので冷え続けていて、現在は絶対温度で3K(マイナス270℃程度)との事です。

 

日本はエネルギー資源を輸入に頼っており、そして島国です。
欧州のように、各国の特性を生かした発電による隣国との各種エネルギーのやり取りで、ベースロードを確保することは困難であり、また太陽光や風力発電においても決して良い条件を持っているとは言えず、とても難しいところだと思います。

 

しかし燃料電池は将来大きな可能性があります。

 

これまでの水素の製造は、化石燃料(天然ガス等)から製造する「グレー水素」でしたが、これでは製造時にCO2を出してしまいます。

 

化石燃料を利用しても発生するCO2を貯留して外へ出さない「ブルー水素」がありますが、CO2の発生はあります。

 

そこで、水の電気分解をはじめとして化石燃料を使用しない他の方法で製造し、もちろん使用する電力は再生可能エネルギーを利用して水素の製造を行う「グリーン水素」が理想です。

 

ブルー水素やグリーン水素を製造する研究が進んでいますが、それが大量に安価に生産されることに期待しましょう。

 

また、FCV車載タンクに充填するために70MPa(約700気圧)まで圧縮していますが、これも再生可能エネルギーを使用することで環境に良いエネルギーが入手できるようになることに期待を持ちたいです。

 

また色々な機器の製造時や廃棄時の環境負荷も大事な要素です。
色々な発電方法、蓄電方法、エネルギーの取出し方にはそれぞれ一長一短があり完全な方法はありません。


技術開発においては、それらすべてを進めることで新しい発見があり、技術が生まれ、そして隣接可能性からまた新たな技術が生まれるでしょう。

 

色々な発電方式や最終使用方式(自動車等)をバランスよく進めていくことで持続可能な経済活動が可能となるでしょう。

あるる「博士〜、ただ今任務、完了いたしました!!(キリッ!)」

博士「おお、ご苦労じゃった。しっかりまとめられたではないか。えらいぞ、あるる」

あるる「ありがとうございます! では、お約束のモノを・・・(そわそわ)」

博士「すまん、あるる。さきほど、友人が大勢通りがかって、みんなで食べてしまってのぅ・・・」

あるる「えっ・・・えええええっ!!( ̄◇ ̄;)・・・(ガックリ)」

博士「ふぉっふぉっふぉっ。想像以上にがっかりしておるな。嘘じゃ、ウソ。すまん、すまん。ほれ、お花見団子、好きなだけお食べ」

あるる「へっ?! あっ! お団子だ\(^o^)/ もう、博士ったら、心臓に悪いこと、やらないでくださいよ〜(パクパク) う、うっま〜♪ おいし〜♪ うれしぃ〜♪」

博士「お団子のエネルギーが、笑顔に変換しおったぞ。相変わらず旨そうに食べる天才じゃのう(笑)」

 

 

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