美術館の絵画保管庫にアルミフレーム♪
公開日時:2017/07/25
今月の「こんなところにアルミフレーム」は突撃レポート第10弾!!
 
 富山から約460km離れた横浜市に行って参りました\(^o^)/
 
  
 
 訪問先は、2017年5月24日(水)に開館した私設美術館『横浜本牧絵画館』。
 
  
 
 今回は、運営法人の理事長である武田春子様と、館長でご主人の武田由隆様に
 
 直接お会いして、お話を聞かせていただきました♪
 
  
 
  
心温まる『横浜本牧絵画館』
  
 
 横浜本牧絵画館は、横浜本牧に江戸時代初期より続いた須藤家の跡地に建てられました。
 
  
 
 ここにたくさんの作品が収蔵されている画家・岩田榮吉(1929年~1982年)は、
 
 この地に最後まで居住された故須藤欽一氏の夫人である故須藤(旧姓岩田)千重子氏の
 
 末弟にあたる方です。
 
  
 
  
 
 
 横浜本牧絵画館♪
 
  
 
 そして絵画館設立に尽力されたのが、岩田榮吉氏の姪にあたる武田(旧姓須藤)春子様です。
 
  
 
 岩田氏はオランダの画家フェルメールに強い影響を受け、写実的な作風で静物画や
 
 奥行きを計算して立体感を表現したトロンプルイユ(だまし絵)を得意とした洋画家です。
 
  
 
 
 須藤家と横浜本牧絵画館について
 
  
 
 また制作活動の傍ら、母校である東京藝術大学の非常勤講師や、日本で二度の個展を開催するなど、
 
 フランス文化の日本への紹介役として翻訳家もされていたそうです。
 
  
 
 岩田氏が渡仏したのは、武田春子様がまだ幼稚園の年長さんだった頃。
 
 その後も手紙で近況をやり取りし、また武田様ご自身がパリへ留学された時には
 
 岩田氏の元を尋ねたり、日本で個展を行った際には本牧の家で一緒に暮らされていたそうです。
 
  
 
 そして、岩田氏が病気を患い帰国してから53歳で亡くなるまで親身に手助けされ
 
 亡くなった後もパリでの部屋やアトリエの遺品を整理して、
 
 その多くを作品を日本に持ち帰って来られたそうです。
 
  
 
 その後、2001年にルーブル美術館の研究員から、岩田氏の作品について調査依頼が
 
 あったのですが、それはそれは大変だったと、当時のことを話してくださいました。
 
 依頼に従って膨大な遺品の整理をしていくと、フランスにいながら多くの芸術家とも
 
 交流があったことを知り、その功績の大きさに驚かされたそうです。
 
  
 
 叔父様の軌跡をたどり続けるうちに
 
 「世のため人のために尽くした叔父の作品を多くの人に伝えたい」
 
 と岩田氏の生き様を受け継ぎ、亡くなってから35年の節目となる今年5月、
 
 その思いを実現すべく実家の土地に横浜本牧美術館を開設されたのでした。
 
  
 
 
 
  
 
  
 
 訪問した日は、開館記念展として「岩田榮吉の世界Ⅰ」が開催されていて
 
 岩田氏の人生をたどる作品や、親交のあった芸術家の作品などが展示されていました。
 
  
 
 芸術には程遠く、じっくりと絵画を鑑賞するのは今回が人生で2度目。
 
 技法や画材など専門的なことはまったく無知な私にも、少しの感性があったのでしょうか…
 
 単純に凄い!細かい!美しい!という言葉ではなく、感性が感性に訴えかけるかのように
 
 心にしみる温かさを感じました。
 
  
 
 これは是非とも、たくさんの方に目で見て心で感じて欲しい!!
 
 と強く思いました。
 
 なので展示品の画像は掲載せず、館内で購入した絵葉書をご紹介いたします。
 
  
 
 
 今にも飛び出してきそう♪
 
 また、横浜本牧絵画館ホームページに「岩田榮吉の世界」関連サイトがございます。
 
 岩田氏の作品1点1点、時代背景や描かれた事物にこめられた意味など詳しい説明とともに
 
 掲載されていますので、こちらをぜひ、ご覧下さい♪
 
  
 
  
アルミフレーム製絵画保管庫♪
  
 
 絵画は湿気や温度に敏感で、良い状態で管理するのはとても難しいとのこと。
 
 直射日光の当たらない、温度・湿度変化の少ない風通しのよい場所に立てた状態で
 
 縦に並べて保管し、時々箱から出して風を通してあげる・・・というのが基本だそうです。
 
  
 
 岩田氏が他界されてからの35年間、武田様は大切に保管されてきたので
 
 現在でも非常に良い状態で残されていましたが、数多くの作品を管理するのは
 
 想像以上に大変だったそうです。
 
  
 
 そこで絵画館設立を機に、作品保管場所として収蔵庫を設け、
 
 その中にアルミフレームで保管庫を作れないかとご相談頂いたのです。
 
  
 
 絵画を掛けた状態で保管し、150kg近くある大きな作品から小さな作品まで
 
 出し入れがしやすいスライド式にしたい。
 
  
 
 NICにとっても初めての試みでしたが、お客様のご要望に応える事こそが私たちの使命です。
 
  
 
 そして、これまでの経験と知識を注ぎ、完成したのがこちら♪
 
  
 
 じゃ~ん!!
 
  
 
絵画保管庫完成♪
 
  
 
 150kgの作品を掛けた状態でも、スムーズな動きでありながら
 
 軽い作品を掛けた状態でもサーーッと動いて、大切な作品に衝撃が加わらないように
 
 上部にダンパー付きストッパーを取り付けました。
 
  
 
 
 ダンパー付きストッパー♪
 
  
 
 更に大切な作品を出し入れする際に両手が使えない場合でも
 
 足でロックできるドアストッパーを採用♪
 
  
 
 
 高級感溢れるアルファフレームの光沢♪
 
  
 
 美観性・剛性に優れたアルファフレーム♪
 
 大切な作品をしっかりと支え、安心してご使用いただけるはずです(^^)v
 
  
 
 絵画館には美術館経営の方も多くご来館され、収蔵庫内をご覧になられた際には
 
 保管庫の素晴らしさに感動されていたと、嬉しいお言葉を頂戴しました。
 
  
 
 この度は突然の訪問にも関わらず、貴重なお時間をいただきありがとうございました。
 
 武田様ご夫妻の温かさと岩田氏の作品の温かさに、すっかり心が癒されたと同時に
 
 静寂な空間でひとつの作品をじっと見つめる時間が、これほど心地良いものなのだと
 
 改めて実感いたしました。
 
  
 
 最後になりますが、この場をお借りして改めて心よりお礼申し上げます。
 
 本当にありがとうございました<m(__)m>
 
  
 
  
 
 以上、今月の「こんなところにアルミフレーム」でした\(^o^)/