【今月のまめ知識 第2回】アルミフレームの特徴 ーアルミっていろいろスゴい!
公開日時:2013/05/27
アルミフレームの特徴 ーアルミっていろいろスゴい!
私たちの身の回りには、アルミニウム合金を使用するものがたくさんあります。たとえば、自動車部品、建材、飲料缶、高圧送電線、反射板や新幹線、飛行機まで実に様々。非常に多岐にわたっています。
博士「それでは、あるる、早速質問じゃ。なんでアルミニウムは、こんなにもいろんなところに使われているのか、分かるかな?」
あるる「えっと、えっと・・・・あ、わかった! 軽いから!!」
博士「おーっ、正解! じゃ、ほかには?」
あるる「えっ? もっとあるるのか?」
博士「あるぞー、もっといっぱいあるんだぞー」
アルミニウムが広く使われる理由
アルミニウムを使用する理由はそれぞれ異なりますが、整理すると 主に次のような特徴が見えてきます。
- 軽い
- 耐食性が良い
- 成形加工性が良い
- 不燃材である
- 熱伝導性が良い
- 導電性が良い
- 非磁性である
- 光,熱,電波をよく反射する
- リサイクル性が良い
さて、この中で、装置架台などの構造材に使用するアルミフレームの場合
- 1)成形加工性が良い
- 2)軽い
- 3)耐食性が良い
の3点が大きく貢献します。
比べてみよう! 鋼鉄材 VS アルミフレーム
ではここで、鋼材を溶接して構造物を製作する場合を考えてみましょう。
鋼材はアングル(L型)、チャンネル(コ型)、パイプ(丸、四角)といった形状であり、それに物を取り付けるためには、ネジ加工をしたり、他の部品を溶接する事が必要です。
また、溶接によって歪(ひずみ)も出るため、精度を必要とする部位には機械加工が必要となります。
そして、最後に塗装をして仕上げます。
一方、アルミフレームの場合はどうでしょう?
さきほど述べた「アルミフレームの3つのメリット」に照らし合わせてみると、
★成形加工性が良い
アルミフレームでは、部品を取り付けるためのナットが入る溝や、強度を持たせるための複雑な断面形状を持っています。
★軽い
軽いという事は、すべての工程で取り扱いが「楽」になります。
★耐食性が良い
耐食性が良いということは、「塗装が不要である」ということです。
鉄鋼材と比べてみると、その手軽さは一目瞭然!
鋼材の場合:材料切断→溶接→加工→塗装
アルミフレームの場合:材料切断→組立
(※メーカー側で材料切断を行うため、使用者は組立のみ)
となるのです。
構造を変更したい場合はどうでしょうか?
鋼材溶接品の場合は、上記と同じ工程に加え、分解再組立が必要となる場合もありますが、アルミフレームは単に「組み換えのみ」で済むのです。
あるる「へぇ〜、アルミは軽くて扱いやすいってのは、なんとなく知っていたけれど、こんなに違うんですねぇ〜。知らなかったあるる〜」
博士「そうなんじゃ。比べてみると、違いがよくわかるじゃろう?」
あるる「アルミって、カッコいい!」
鋼鉄材 VS アルミフレーム The 納期対決!
それでは、現実的に装置を設計製作する場合、どれだけ「納期」に差が出るかも、考えてみたいと思います。
鋼材溶接による架台は非常に製作期間の掛かる品物です。装置のすべての設計が完了しないと、その本体である架台の図面が完成しません。一番時間のかかるものの図面が一番最後でないとできない−−−。
すなわち、設計完了してから組立開始までに、「空白の時間」が できてしまうのです。
もっと時間を有効に使おうと、設計途中で製作の手配をしてしまうと、後で設計したものを取り付けるために、架台に新たな取付けネジの加工などが必要になり、返って手間がかかってしまいます。
このジレンマこそが、時間あるいは手間といった損失を生んでいるのです。
アルミフレームによる構造物であれば、設計完了してから手配しても短納期が可能です。また、設計途中で手配しても、追加変更がとてもカンタンにできます。
しかしながら、どこにでも取り付けることができる便利さは、裏返すとどこに取り付けて良いか解らない煩わしさにもなります。
そこで当社では部材,部品が取りつく位置に“マーキング(印刷)”をするということも行っております。
▼NICのマーキングシステム
http://www.nic-inc.co.jp/alfaframe/support/kakchar/marking_system.html
博士「どうじゃな? アルミのスゴさが、よくわかったろう?」
あるる「はい!博士! アルミを見る目が変わって来たあるる〜」
博士「軽くて扱いやすいうえに、見た目もシンプルで美しい・・・。
さらには、時間や手間といった見落としやすい“損失”を防いでくれるのじゃ」
あるる「スゴイ! 賢い!」
博士「アルミニウムは、まさに「ミのアル」ツールなんじゃな」
あるる「おおーっ、博士、今日は冴えてますね! アルミのミは「実」でもあり「身」でもあり、「味」でもあるってことですね。まさに「ミ」のあるアルミー\(^o^)/」
博士「ふぉふぉふぉ あるるも味なことを言うようになったのぅ(笑)」
いろんな「ミ」のあるアルミニウム!
<つづく>