アルファ博士の気ままにトーク♪ 第5話 科学って面白い!~興味津々! 科学道100冊~
公開日時:2023/07/26
いやぁ~、暑い!暑すぎる!!
この暑さで、ただでさえ頭がボーっとするのに、アルミフレームのことに集中しすぎて、頭がいっぱいになってしまう今日この頃(^^;)
そんな時は、少し気分を変えて、周りを見渡してみると、また新しいアイディアも出てくるというものです!!
ということで、今回は過去から未来、自分の体の中から宇宙まで、広く見渡すことができる、とっておきの方法を皆様と共有したいと思います。
知りたい!が未来を作る『科学道100冊』
今回は面白いWebサイトをご紹介したいと思います。その名も「科学道(かがくどう)100冊」!!
柔道、剣道、花道に書道など、日本には「道」がつくものがたくさんありますが、それらと同じように、科学にも「道」をつけたこのネーミングセンスにグッときて、少し前から注目していたのです。
日本で唯一の自然科学の総合研究所である理化学研究所(理研)と、本の可能性を追求する編集工学研究所(編工研)がタックを組んで、科学のおもしろ、すばらしさを書籍を通じて世の中に届けよう!と、2017年にスタートした事業です。
2019年からは、毎年恒例企画としてリスタート。その年の100冊の書籍を選定し、リストが公開されています。
2022年の100タイトル♪
今年はどんな本が選定されているのかな?
さっそく、最新の2022年版を見てみましょう♪
2022年の100タイトルは、時代を経ても古びない良書として選んだ「科学道クラシックス」50冊と、注目のトピックなどによる「テーマ本」50冊で構成されています。
では、まず「科学道クラシックス」の方から見ていくと、読んだことがある本、名前は聞いたことがある本、いつかは読んでみたいと思っていた本、名前も知らなかった本などが並んでいます。
「科学と科学者のはなし 寺田寅彦エッセイ集」 これは若いころに読んだことがあるなぁ・・・。
「自分をりこうだと思う人は、先生にはなれても科学者にはなれない」、疑問を持つことが科学の始まりで、科学者というのは、世の中の様々を詳細に観察して、その不思議さを真剣に考えている人なのでしょうね。
寺田虎彦の随筆集もおすすめで、科学者、技術者の書く日本語の文章として、あこがれのお手本でもあります。
「ご冗談でしょう、ファインマンさん(上・下)」 これも若いころに夢中で読んだなぁ。
ファインマンは、物理の教科書「ファイマン物理学」の著者として有名なので、どんな人かと思って読んでみました。
原題に「好奇心でいっぱいの人物のめくるめくアドベンチャー」というようなサブタイトルがつけられている通り、奇想天外、神出鬼没、いたずら好き、冗談好き、非常に活動的な人なのに驚き、愉快痛快な冒険物語を読んでいるといった感じでした。
日本にも何度か来ているのですが、下巻では、その来日エピソードが書かれています。
観光地には行かず、名もない田舎の村を訪問して、ファイマン旋風を巻き起すのですが、このようなエピソードを読むと、もう一度「ファイマン物理学」を学び直してみたい気持ちが湧いてきます。
カール・セーガン「COSMOS(上・下)」は、宇宙と人類についての本です。
子どもの頃に、なぜ地球に人がいるのだろう、他の惑星にも宇宙人はいるだろうかと考えていたので、気になって読んでみたのですが、地球、太陽系、銀河、宇宙全体、そして、私たち自身について視点が広がりました。
カール・セーガン博士はコスモスを探求することで核戦争のような危機を乗り越えることを希望しましたが、現在の状況を見ると残念な限りです。
カール・セーガンの著書では、宇宙から届いた電波信号から始まるものがたり「CONTACT」も超おすすめです!
このものがたりは、映画にもなったので、ご存じの方も多いでしょう。
上下2巻を興奮して一気に読んでしまった若い頃の記憶がよみがえります。
「フェルマーの最終定理」は、300年以上にわたる数学の難題に挑んで証明するまでの物語です。
若き天才王者「藤井聡太」さんの将棋と同じで、私には数学の内容は理解できなかったけれども、そのアプローチはワクワクしました。
数学にそのような物語があること、また数学の定理にはある種の美しさがあることを感じます。
哲学についての本「ソフィーの世界」が、リストされているのもおもしろいです。
14歳のソフィーが次々に受け取る、差出人不明の手紙。
「あなたは誰?」
身近であり、かつ最大の謎「私って何だろう?」について考える機会になると思います。
若い頃に読んでいたらよかったなぁ~。
科学者にとって、自分自身を探索するというのは研究の第一歩なのかもしれませんね!
2022年の3つのテーマ!
それでは、「テーマ本」の方も見てみましょう!
2022年の3つのテーマは、
(1)情報の世紀
(2)光を追いかけて
(3)科学史タイムトラベル
となっています。
(1)の「情報の世紀」は、ChatGPTに代表される膨大なデータを学習した人工知能AIなど、近年の情報の見方を新たにする16冊。
(2)の「光を追いかけて」は、波でありかつ粒子でもある不思議な光の正体に迫る16冊。
(3)の「科学史タイムトラベル」は、人類が科学とともに進化してきた経過をさぐる18冊。
3つ合わせて50冊となっています。
どのテーマも、興味深い本が並んでいます。
(3)にリストされている「サピエンス全史」は、日本では2016年に発売されて、大変話題になりましたね。今では「漫画サピエンス全史」も発売されているようです。
さてさて、「科学道100冊 」、いかがでしたでしょうか?
毎日暑い日が続いていますが、科学の本の読書に没頭して暑さを忘れるのもよいかもしれません。
これらの本を1か月に1冊読んだとしても、100冊読むのに10年近くかかります!! 私も長く楽しみたいです!!!
科学道100冊に興味が出た方は、下記のアドレスを参照してください。
また、「科学道100冊ラインナップ」のページからは、書籍リスト (Excel/730KB)とブックレット (PDF/9.2MB)が無料でダウンロードできるようになっていることもお伝えしておきます。
以上。今月は「科学道100冊」をご紹介しました。