いまさら聞けない基礎用語!【キ】#018 気圧
公開日時:2023/02/20
気圧は空気の圧力差
みなさん、こんにちは。基礎用語、案内役のあるるです。
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今月の基礎用語:キ #018
気圧(きあつ)
(barometric pressure/atmospheric pressure)
博士「おーい、あるる〜、お湯が沸いてるぞ〜」
あるる「あ、沸きましたか。博士、ついでにお茶でもいかがですか?」
博士「わかっておるなぁ〜。そろそろお茶が飲みたいなぁ〜と思っておったところじゃ。ほれ、チョコじゃ♪」
あるる「あ〜、これ〜、バレンタインデーにあるるが博士にあげたチョコじゃないですか~」
博士「そうじゃよ♪ 一緒に食べようと取っておいたのじゃ(ニンマリ)」
あるる「わーい! 食べたいな~って思ったチョコを選んだので超うれしい~♪\(^o^)/♪」
博士「ところであるる、お湯が沸くのは何度じゃな?」
あるる「そんなの簡単ですよ、100℃です。そして凍るのは0℃。
「1気圧における水の凝固点を0 ℃、沸点を100 ℃としたもの」が摂氏の定義でしたね(キリッ!)」
博士「正解じゃ! すごいぞ、あるる。よく覚えていたのぅ」
あるる「はい。その時の講義のおかげで、圧力鍋を買いましたから。おかげで我が家の食卓は急に豊かに♪♪♪」
博士「そうじゃったのぅ(笑) では問題です。標高2000mだと水の沸点は何度になるでしょうか?」
あるる「えーー、急に難しい。そんなのわかりませんよ。・・・はっ! 標高2000mといえば・・・」
ある&博士「飛行機の中!!!」
あるる「飛行機に穴が空いたら・・・という講義、衝撃でしたねぇ〜。よ〜し、気圧についてもう一回、復習してみます!! では博士、後ほど〜(シュタッ!)」
博士「あ、あるるよ〜、お、お茶は〜? チョコは~・・・(泣)」
気圧って何?
気圧とは「気体の圧力」のことで、気圧の差によって空気の流れが発生します。
気象現象の風は、【今月のまめ知識 第27回】圧力とは?で説明したように、高気圧の空間から低気圧の空間へと空気が移動することで発生します。
では、飛行中の航空機に穴が開いたらどうなるのか?
陽圧(差圧)クリーンブースからの排気を考えながら、空気、その圧力差について説明します。
飛行中の航空機に穴が開いたら?
航空機は高度10,000m前後で飛行しており、この高度での外気圧は285hPa程度です。
この時、機内はだいたい0.8気圧、810hPa程度に制御されています。これは標高約2,000m程度の高地の気圧です。
ここで機体に穴が開いた場合、その面の風速を求めてみます。
抗力の式より
なんと、音速に近い速度です。
次に窓の面積にかかる荷重を計算してみます。
機内外の圧力差が525hPaで、窓の面積が約0.1㎡と推定した場合、
52,500Pa×0.1㎡=5,250N
なんと、窓の面積に5,250N(ニュートン)もの荷重がかかっていることになります。
陽圧クリーンブースからの排気は?
これと同じ式を用いてクリーンブースからの排気を考えてみましょう。
クリーン度ISO 6(Fed.std.209D class1000)の一般的なクリーンブースだと内圧は2~3Paくらいです。
条件を20℃、1atm、内圧2Paとして先の式にて計算すると、以下になります。
気圧は高度が上がるほど低く成りますが、その割合はというと、低高度においては1mあたり11Pa程度です。
50階だと約200m程度ですから、地表とは2,200Pa(22hPa)程度の差があるということになります。
圧力差があるのに流れが起きないのは、当然、地球の引力と自転による遠心力でのバランスが取れた状態になっているからです。
しかし、クリーンブース下面の隙間から1.82m/secもの風速を生じる圧力差はたった2Pa! これは高度でいうと180mm程度に過ぎません。
クリーンブースの高さが2mだとすれば、この高さで22Paの圧力差があるのにとても不思議です。
抗力係数(Cd)について
ところで、抗力の式に「抗力係数(Cd)」というものがあります。
これは形状による係数ですが、穴や隙間の場合だとその形状にもよりますが0.7~0.8程度でしょう。
また、自動車の空気抵抗もこの式で計算できます。面積は前面投影面積です。
Cd値は固有のものですが、乗用車でだいたい0.3~0.4、エコカーやスポーツカーだと0.25~0.3程度、バスやトラックで0.5~0.7程度です。
ちなみに、F-1はタイヤが露出している上にダウンフォースを得るパーツが付いているため、空気抵抗の塊になっているので、Cd値は1近いようです。
このように空気は目には見えませんが、圧力という形でさまざまな影響を与える魔物といえます。
あるる「博士、ただいまぁ〜♪ しっかり復習してまいりました!(シュタッ!)」
博士「おお、あるるよ。偉かったなぁ〜。自主的に学習するようになってくれて、わしも嬉しいぞ。
ほれ、お茶でも飲んで一息入れなさい」
あるる「ありがとうございます! 博士にお茶を淹れてもらえるなんて、あるるも超うれしいです♪」
博士「(コポコポ・・・←お茶を淹れている)はい、どうぞ♪
わしももう一杯、いただこうかのぅ」」
あるる「あああああ〜〜〜〜〜〜っ!!」
博士「ど、どうした? あるる?!」
あるる「もう、こんなに食べちゃったんですかぁ?!?! あと2つしか残ってないじゃないですか!」
博士「おや? おかしいのぅ? 変な圧力がかかって、みんな消えてしまったのかのぅ?
おかしいのぅ?(←しらばっくれ〜)
あるる「そんなはずないじゃないですか(-_-) もう、残りのチョコはぜんぶあるるがいただきますからね!(ぷんぷん)」
博士「おお、圧力が上がったのはあるるの方じゃったか(笑) 頭から湯気がでておるぞ。そんなときは甘いものじゃ。ほれ」
あるる「(パクリ)・・・う、うんまぁ〜〜〜(^○^)」
博士「今怒ったあるるがもう笑った♪ チョコの効果はすごいのぅ」