横河ブリッジ様突撃レポート こんなところに高減衰アルミフレーム?

公開日時:2016/07/26

今月の「こんなところにアルミフレーム」は、企業突撃レポート第3弾!!

富山から電車を乗り継ぎ、大阪府和泉市へ♪

 

この度訪問させて頂いたのは、橋梁製作・建設のトップメーカーである

株式会社横河ブリッジ様のアドバンストエンジニアリング事業部 いずみ工場です!

 

図1

 

最寄駅の和泉中央駅よりタクシーで15分ほどのテクノステージという工業団地内にあります。

20年前は山だった土地に大学が建ち、高速道路や電車が開通し、人が暮らす街へと変わり

そして働く環境テクノステージという工業団地が整備されたそうです。

 

工場内では、大型五面加工機や大型三次元測定機で、

大型鋼溶接構造物の加工や検査が行われていました。

 

ムムム??

溶接ということは、製缶ですよね・・・。

鋼構造物メーカーにアルミフレームなんて???

 

あるのです!!

 

実は、横河ブリッジ様は展示会等でご紹介させていただいている

高減衰アルミフレームの産みの親♪

高減衰アルミ押出材の開発元なのです。

 

今回は、この高減衰アルミフレーム誕生の裏側を突撃レポートしてきましたので

ご紹介いたしま~す(^o^)/

 

 

100年以上の歴史が刻み込まれた技術力


 

創業、明治40年。

それ以来、長きに亘り国内外の橋梁の建設をはじめ、鋼構造物の製造などで活躍されている

総合エンジニアリング会社です。

橋梁の設計から製作、架設、補修補強、改築、更新まで一貫して手がけられています。

 

横浜ベイブリッジやレインボーブリッジ、明石海峡大橋などを建設され

まさに橋梁メーカーのトップリーダー!!!

 

その100年の歴史から培われた技術力で、高層建築やドーム等の特殊建築物の建設事業、

大型精密構造物の製造事業なども展開されています。

 

今回訪問したアドバンストエンジニアリング事業部では、

主に精密機器や装置に使われる定盤やフレームなどの鋼構造体の製作をされており

近年では精密装置における振動問題にいち早く着目し、構造体の高減衰化を実現!

この技術力は留まることなく、さらにお客様のニーズに応えるべく進化し続けているのです。

 

 

見るもの全てが大きい!!


 

横河ブリッジ様では、お客様から依頼を受けた構造体を、自社で溶接から加工まで

一貫生産されており、このいずみ工場は加工以降の工程を行う設備が充実しています。

 

天井には許容荷重20tの大きなクレーンが取付けられていて

中でも、業界最大級の大型5面加工機や測定範囲『長さ6m×幅3m×高さ2m』

最新鋭の超大型CNC三次元測定機の大きさにはびっくり仰天\(◎o◎)/!

 

図2
大型5面加工機

 

図3
大型CNC三次元測定機

 

 

すっ!すごい!!さすが橋梁メーカーのトップリーダー!!

 

あの明石海峡大橋やレインボーブリッジを建設された鋼構造製造技術力を駆使し

磨き続けたスキルとノウハウで、どんなに高精度な大型構造物でも高いクオリティで製作する凄さに、設備の大きさはもとより、ものづくり魂の大きさに感動しました!!

 

 

高減衰構造体の開発


 

横河ブリッジ様では、大型精密構造体の設計・製造をする上で高剛性化や軽量化といった

構造提案や付加価値の高い構造体を目指した技術開発をされています。

そして冒頭でもお伝えしましたが、精密装置における振動問題への取り組みです。

 

装置内のモータや外部の振動源などに起因する様々な振動が、構造体も含めた装置全体に発生し

精密装置においては、精度やスループットに悪影響をおよぼし問題視されていたのです。

こうした振動問題を解決する方策として、構造体の減衰性能を高めた高減衰構造体を開発され

高減衰構造体を用いることにより、装置全体の振動が抑制され、

装置の高精度化や高スループット化が図れることが期待されています。!!

 

3構造体
門型ガントリー

 

構造体4
角パイプベース(平面型)

 

工作機械やXYステージのガントリーフレームに適用されています。

 

構造体5
角パイプ架台(立体型)

 

門型ガントリーとの組み合わせも可能で、工作機械やXYステージのベース部フレームに適用されています。

 

どの製品も、通常の設計で製造する一般的な溶接構造と同等の剛性を確保し、

さらにより早く振動を抑えられるため、装置の高精度化やタクトタイム向上が図れるという

まさにお客様が抱えている問題点を克服した新技術なのです!!

 

 

 

高減衰アルミフレームの誕生


 

横河ブリッジ様は、常にお客様と向き合いコミュニケーションを通して

より付加価値の高いプロダクト・サービスを提供されています。

そのなかで、「アルミ押出材製のフレームを高減衰化出来ないか?」

というお客様の要望が届いたのです。

 

アルミ押出材は、使い勝手の良さやコスト面から様々な装置のフレームとして、

一般に広く用いられているが、ここにも振動問題があり困っているお客様がいるんだ!

 

そこで、100年以上培ったものづくり魂にまたまた火がついたのです。

 

自社の技術を活かし、振動問題を抱える企業のお役に立ちたい!!

この思いで開発されたのが『高減衰アルミ押出材』なのです。

 

223
高減衰アルミ押出材

 

 

市販されているアルミ押出材(アルミフレーム)に振動を減衰させる機構を付加し、

通常のアルミ押出材よりも振動が早く収束する性能を持っています。

 

波形
振動波形

 

 

微小な振動を嫌う精密装置のフレーム(構造体)の部品として効果的で、

フレームに発生する微小な振動が早く収まることで、待ち時間の減少によるタクトタイムの向上や、

位置決めなどの精度向上が図れるという画期的な製品を開発(特許出願中)されたのです!!

 

そして、お客様の夢に叶う、実現可能な最適プランを提案すべく

アルミフレームメーカーの老舗であるNICに白羽の矢が立ったのでした。

 

 

高減衰アルミフレームの未来♪


 

同じものづくりに携わるものとして、NICのものづくり魂にも火がつきました!

このような画期的な製品を開発されたのですから、この技術とNICの技術を融合させることで

もっともっとアルミフレームを便利に使って頂けるはず!!

 

実際に、お客様が高減衰フレームを購入され色々な実機を製作されているのですが、

構造体の全てのフレームを高減衰化すると、コストがかかります。

 

そこで、アルミフレームのプロ目線でいろんな角度からメスを入れ

アルミ構造体のどの部分に、どう組み合わせることでメリットが生まれるのかを追求しております。

 

現在振動問題を抱えているアルミ構造体のどの部分に高減衰フレームを組み込むことで

解決できるのかを両社の技術力で検証し、振動問題に対して、これまでの設計的な対策や

断面サイズアップといった方策に加え、高減衰アルミ押出材という新たな解決法をお客様に

ご提供します。

 

そして、10月に開催されます関西機械要素技術展で、高減衰アルミ構造体を展示し

両社の技術力を紹介したいと思っております(*^_^*)

 

どんな技術開発も、お客様の声が命です。

高減衰フレームについてのご相談がございましたらお気軽にお問い合わせください。

 

以上、今月のこんなところにアルミフレーム・・・ならぬ

「高減衰アルミフレーム」でした(^o^)/

 

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