アルファ博士の気ままにトーク♪ 第27話 残暑お見舞い 〜雪と氷の写真でしばしの涼を~
公開日時:2025/08/27
みなさんこんにちは。暑い日が続いておりますが、お元気でしょうか。
残暑のお見舞いを申し上げます。
今日は皆さまに、「雪と氷」の写真で「涼(すず)しさ」をお届けできればと思います。
実は、昨年の秋から先ごろ6月まで、仕事の関係で岩手の方に行っておりました。
初めて東北でひと冬を過ごし、休みの日には、これまでなかなか訪れることができなかった
各地に足を運ぶことができました。
そんな東北でのひと冬の思い出より、
岩手県から、除雪して開通したばかりの道を通って、八幡平のひろびろした眺め、
青森県からは、積雪日本一の八甲田山と酸ヶ湯温泉の雪景色を、
山形県からは、樹氷で有名な蔵王高原の樹氷の様子、
そして秋田県からは、横手のかまくらのお祭りの様子を
お届けしたいと思います。
東北の涼しきおもひで
岩手県 八幡平 〜ひろびろした雪景色〜
さて、最初は、岩手県の八幡平(はちまんたい)の景色です。
山岳道路の除雪が完了し、開通したばかりの週末、4月19日に訪問しました。
八幡平は、岩手県の北西部と秋田県の東北部の間にまたがる標高1,600mほどのなだらかな山です。
山頂部はその名前のとおり、「平ら」になっていて、そこにいくつかの沼と湿原があります。
岩手県側には視界をさえぎるものがなく、ひろびろと景色が広がっていて、目の前に標高2038mの岩手山が望めます。
特に紅葉の頃は、山腹から山ろくに広がる樹林帯が、まさに「錦の屏風絵」のように見えます。
八幡平から岩手山を望む
除雪開通したばかりの八幡平アスピーデラインの雪の壁の高さは7m
八幡平の「がま沼」は雪と氷に覆われている
青森県 八甲田山 〜深い雪と強い風 厳しい気象〜
次は、山頂周辺にまだ樹氷が見られる4月5日に訪れた
青森県の八甲田山(はっこうださん)の雪景色です。
八甲田山は、青森県の中央部、青森市の南側、十和田湖の北側に位置する標高1500mほどの山で、ひとつの山ではなく、いくつかの山が重なっていて、山頂もいくつかあります。
その中の一つ、西側の山腹に「八甲田ロープウェイ」が架かっていて、標高1,324mの山頂公園駅まで上がることができます。
冬季にもロープウェイを使って、この山腹でスキーが楽しめますが、強風や吹雪で運休となる日もあり、行きたいと思った時から何度目かの休日にやっと実現しました。
八甲田山は「雪中行軍遭難事件」があった場所で、新田次郎の小説や、映画にもなりました。
「雪中行軍遭難事件」とは、1902年(明治35年)1月に陸軍第8師団の歩兵第5連隊(青森第5連隊)が実施した雪中の行軍訓練中に大寒波が到来し、とてつもない長期間の大雪と吹雪、山ろくの入り組んだ地形や、準備の不足などにより、210名中199名の兵士が亡くなった遭難事故です。
訪問した日は、春の訪れが感じられる穏やかな日でしたが、それでも、西から吹きつける強い風で、ロープウェイはときおり運行が見合わされていました。
強風で斜めに傾いている樹氷からも、その気象の厳しさが感じられました。
八甲田ロープウェイの窓から早春の眺め
強風で傾いている八甲田の樹氷
山頂の電波塔も凍りついている
ロープウェイ駅の鉄骨の柱に着いた氷
十和田湖から八甲田山を望む
青森県 酸ヶ湯温泉 〜積雪の深さで有名〜
さて、次は、八甲田山の西南の山ろくに位置する「酸ヶ湯温泉」(すかゆおんせん)の雪景色です。
酸ヶ湯温泉は冬の間、気象ニュースや天気予報で「積雪5m」などと報じられることも多々あり、
また山の中にぽつんと一軒の湯治宿、酸ヶ湯温泉旅館の「ヒバ千人風呂」も有名なので、皆さん、ご存知かもしれませんね。
今回は、まだ雪が深い3月1日に、青森市から酸ヶ湯温泉への道路を通って訪問して、温泉に入ってきました。
除雪されているとはいうものの、温泉旅館の周囲、そして駐車場は、深い雪に囲まれていて、
駐車場へつながる道などは、さながら「雪の壁の迷路」といった感じでした。
道路の途中からは周囲が見えないので、道路が分岐している場所では、どちらに行けばよいかわからず、何回か向きを変えたりして、やっと行きたい方向に進むことができました。
酸ヶ湯温泉の雪の壁
酸ヶ湯温泉の駐車場への道
酸ヶ湯温泉から八甲田山を望む
酸ヶ湯温泉から十和田湖方面への「雪の回廊」
山形県 蔵王高原 〜有名な樹氷は、痩せていく樹木が心配〜
さて、次は、樹氷で有名な山形の「蔵王高原(ざおうこうげん)」の雪景色です。
蔵王連峰は、宮城県と山形県にまたがる標高1,800mほどの連山で、いくつかの山頂から成っています。
樹氷の間を滑り降りるスキーを楽しもうと3月9日に行ってきました。
この日の天気は、蔵王の山全体が雲に覆われている時間が長く、あまり視界が良くありませんでしたが、それでもときおり、雲間から青空が見えることもありました。
山頂近くのレストハウスやロープウェイの窓などから、樹氷が広がる景色を楽しむことができました。
久しぶりにチャレンジしたスキーの滑りの方は、日ごろの運動不足もあり、全然ダメダメ「X」でしたが、
樹氷のきれいな景色を見ながら、ケガなく降りられたので、そう考えれば、はな丸「◎」100点です。
ここで気になったことがひとつ。
樹氷が着いている樹木「アオモリトドマツの木」が、虫による食害で、2019年以降、急速に「痩せて」きているとのこと。
山頂のレストハウスの廊下に説明が出ていたのを読んでわかったのですが、そういわれてみれば、レストハウスから見える山頂付近の樹氷は、全体的にとても細くなっていました。
本来であれば、樹氷がついた外観は「スノーモンスター」と呼ばれる「まるまると太った巨神兵」のような形をしているのですが、今回山頂付近に見えていた樹氷は「雪の中をさまよう痩せ細ったゴースト」のようにも見えて、物悲しく感じました。
どうして、このようなことになってきたのか。
虫が繁殖する条件、もしかすると、ここでも温暖化が影響しているのでしょうか。
蔵王温泉スキー場のゲレンデ きれいな雪景色
樹氷の間を滑り降りる林間コースからの眺め
山頂レストハウスから見た樹氷原 アオモリトドマツの痩せが心配
秋田県 横手のかまくらまつり 〜水神様をまつる小正月の行事〜
トリは、秋田県横手の「かまくらまつり」の情景です。
子どもの頃は、雪がたくさん降ると、雪を山に盛って穴を開けて、大きなものが出来た時は中に入って遊んだものです。
私が小さかった時は、この「横手のかまくら」と、「神奈川の鎌倉」を混同していて、どういう関係か?などと思った記憶があります。
横手のかまくらは、約450年の歴史があるといわれています。
その由来や作り方など興味深い内容が、横手市のホームページに詳しく書かれていますので、ぜひそちらを参照してみてください。
https://www.city.yokote.lg.jp/kanko/1004035/1004590.html
この年のお祭り行事は、2月の15日から16日にかけての一晩のみ。
大雪のあと、寒さが一息ついた15日の貴重な機会に訪れることができました。
城址公園、川原、公園、校庭、店先、玄関先など、横手の町中あらゆる場所で、大きなものから小さなものまで、さまざまな工夫が凝らされたかまくらが作られ、飾られ、水神様がお祀りされていました。
横手のかまくら 水神様を祀る
横手のかまくら 地上に降りた天の川
横手のかまくら 街角の小さなかまくら
横手のかまくら いろいろな工夫
さて、皆さま、少しは涼んでいただけたでしょうか。
冬の間に山に積もる雪は、春には田畑を潤し、夏には海に養分を運び、秋には果樹を育てます。
降りすぎるのは困りますが、適度な雪は大切なものですね。
冬は雪遊びや、かまくらづくり、山でのスキーなど、アクティブな楽しみもあります。
そして、雪といえば、
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」
この文から始まる川端康成の小説「雪国」は、日本の美しい自然と、そこに暮らす人々の情緒を淡く映し出した、私の好きな世界です。
まだまだ暑い日が続くと思いますが、みなさまお身体大事にお過ごしください。
これからの実りの秋、食欲の秋、そしてその後にまたやってくる、雪と氷の美しい冬を楽しみに迎えたいと思います。
今日のお話はここまでです。
また、ここで、お会いしましょう。