【Q&A vol.153】カジリ防止付きの四角ナットがありますが、どのような処理なのか、クリーンルームで使用できる処理なのか教えてください。

公開日時:2025/12/24

【Q】カジリ防止付きの四角ナットがありますが、どのような処理がされているか、クリーンルームで使用できる処理なのかを教えて下さい。

四角ナットでカジリ防止付きのナットがありますが、どのような処理がされているか教えて下さい。
クリーンルームでも使用できる処理なのか知りたいです。

【A】弊社では材質違いで2種類の四角ナットがあり、どちらもクリーンルームにて使用可能な処理を施しております。

ご質問ありがとうございます。

弊社で取り扱っているカジリ防止付きの四角ナットは、スチール製とステンレス製の2種類ございます。

まず、材質がスチール(SWCH相当)のNSMEシリーズからご説明致します。

NSMEシリーズは、表面処理は無電解ニッケルメッキが施されています。
これにより耐食性と導電性を確保しつつ、カジリ(焼き付き)を防止します。
ボルトはスチール製六角穴付ボルトを使用することを推奨しています。

 

次に、材質がステンレス(SUS XM7相当)のNSMSシリーズの説明を致します。

NSMSシリーズは、カジリ防止剤を塗布してステンレスボルトとの組み合わせで発生しやすい「焼き付き」を防いでいます。

カジリ防止剤は耐薬品性、低摩擦特性のあるPTFE(フッ素樹脂)を使用しています。
弊社ではクリーン環境での使用も多くあるため、オイル、グリス等の油脂類のように流出するようなものは除外し、硬化した被膜を形成でき非粘着性に最も優れるフッ素化合物を採用しています。

 

ちなみにその他のカジリ防止剤は以下になります。
・モリブデン系化合物(MoS₂):潤滑性が高く、金属間の摩擦を低減
・グラファイト(黒鉛):高温でも潤滑性を維持
・金属粉末系(ニッケル、銅など):高荷重下での焼き付き防止

 

これらの処理により、組付け時のトルク異常や固着を防ぎ、長期的な信頼性、品質を確保しています。

 

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