【Q&A vol.75】後入れナットと先入れの四角ナットの強度は同等なのでしょうか?
公開日時:2019/06/26
【Q】後入れナットと先入れの四角ナットの強度は同等なのでしょうか?
後入れナットは、先入れの四角ナットに対して強度は同等なのでしょうか?
【A】通常の使用においては同等と考えていただいて構いません。
ご質問ありがとうございます。
通常の使用においての強度は「同等」と考えていただいて結構です。
強度に関しては2つの項目があります。
まず、溝に対する機械的な強度ですが、
溝内部の接触面積に関しては後入れナットの方が接触面の幅が狭い分、
全長を長くしており接触面積は、ほぼ同等となっています。
溝から引き上げる強度に関しては、下図のように当社のナットは
溝側面とナット側面のクリアランスが小さく、引張り方向の荷重が掛かった場合に、
溝のヘリ部が曲がって持ち上がることに対して非常に高い剛性を持っております。
後入れナットのほうが、僅かにこのクリアランスが大きくなっていますが
こちらも全長を長くしているため同等の剛性を持っております。
次にネジそのものの強度ですが、こちらはネジ部の長さが異なるため、
四角ナットではJISのナット強度6相当ですが、後入れナットではナット強度4相当となっております。
しかしながら強度4相当でも、高張力ボルト(CSシリーズ)を適正トルクで締め付けた場合の軸力に対して
ナット側の降伏荷重が3割以上上回っておりますので、実用強度としては問題なく、冒頭に記しましたように
通常の使用に置いては同等と考えていただいて構いません。