【今月のまめ知識 第37回】蝶番の許容荷重について

公開日時:2016/04/15

とあるのどかな昼下がり…

 

あるる「博士ぇ~、「ちょーばん」ってなんですか?

 

博士「なんじゃ、唐突に? 」

 

あるる「ほら、ここに「蝶番」って書いてあるでしょ」(といって、カタログを指さす)

 

あるる「この漢字見て、ぴーんときちゃったんですよ。この部品、蝶ちょに似てるででしょ。

で、なおかつ賢いから番長・・・って、いつのまにか皆が呼ぶようになったんじゃないかと(ドヤ顔)」

 

博士「うーむ・・・ あるるよ、真剣にドヤ顔しているところ、なんなんじゃが…」

 

あるる「なんですか?」

 

博士「これは『ちょうばん』ではなく『ちょうつがい』と読むのじゃ」

 

あるる「ええええっ! ちょーつがいっ!!(驚)

 

博士「なにも、そんなに驚かなくても・・・こっちがびっくりポンや」

 

博士「『つがい』というのは、夫婦とかオスとメスという意味もあるが、

『つなぎめ』という意味なんじゃ」

 

あるる「へぇ~。でも、読めないですよね」

 

博士「そうじゃな。普通は読めんわな。だからなのかはわからんが、

建築業界などでは「丁番(ちょうばん)」と言ったりしているんじゃよ」

 

あるる「へぇ~、そうなんですか!! 今日は初めて知ることばっかりだなぁ~」

 

博士「ついでに、ちゃんと使えるようになってみたいか?」

 

あるる「はいっ! ぜひっ!」

 

博士「ちょっと難しいかもしれんが・・・ついておいで!」

 

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今回は「蝶番(ちょうつがい)」についてお話しします。

 

「丁番(ちょうばん)」という表記を使っている場合もありますが

NICでは「蝶番(ちょうつがい)」という表記で統一しています。

(アルファフレーム総合カタログP188~をご参照ください)

 

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蝶番には許容荷重が表示されていますが、2個使用時となっています。

今回はこの意味について説明します。

 

蝶番を2個使ったときの許容荷重


 

蝶番の許容荷重は、標準的な使用方法での扉の質量となっています。

 

標準的な使用方法とは、縦使い(扉の側面に蝶番が付いている)した場合で、

A=2×Bの場合です。

 

A:蝶番の取付ピッチ

B:蝶番の回転軸中心から、扉重心位置までの寸法

 

扉標準A=2B

 

蝶番を横使い(扉の上側または下側に蝶番が付いている)した場合には

取付ピッチに関係なく、記載の許容荷重が扉の最大質量となります。

 

扉横使い

 

縦使いにおいてA≧2×Bの場合は安全側となりますが、

A<2×Bの場合には、許容荷重を小さく見る必要があります。

 

これを検討すると

荷重モデル

 

WとWaの関係を導く

θ=tan-1(0.5A/B)

Wb=W・cosθ

Lb=B/cosθ

Wa=Lb・Wb/A

 

これを解くと

Wa=W(B/A)

と、シンプルな比であることがわかります。

 

 

許容荷重は、A=2Bの場合なので、許容荷重値に係数kとして

 k=A/2B

を乗じた値が、許容できる扉の質量と言うことになります。

 

例として、A=Bであれば

 k=1/2

となり、表示許容荷重の1/2ということになります。

 

蝶番の許容荷重は、扉の開閉頻度や取扱い方などによって大きく異なりますので、

あくまでも参考値と考えてください。

 

なお、ガススプリングなど取り付けた場合には、もちろん別に検討する必要があります。

 

 

あるる「・・・・」

博士「どうした、あるる。固まっているぞ」

あるる「・・・ちょっと計算に追いつかなくて・・・」

博士「ゆっくり理解すればよいぞ。マイペースが一番じゃ」

あるる「え? 一番? あっ! ひらめきました!

 “丁度いい具合にやるのが一番”ってことで「丁番(ちょうばん)」。なんちゃってぇ~」

博士「山田くぅ~ん、座布団一枚、持ってっちゃってぇ~」

あるる「えーーーっ。よくで来たと思ったのに・・・(しょぼん)」 アルルちゃん06

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