【今月のまめ知識 第84回】 現場スケッチ
公開日時:2020/03/25
とあるのんきな春のひと時・・・
博士「おや、あるる。こんなところでスケッチかの? どれどれ。おお、うまいじゃないか。桜がキレイに描けておるぞ」
あるる「ありがとうございます! 博士に褒められるとは嬉しいなぁ〜♪」
博士「どれ、わしも一緒に描いてみるかの〜」
あるる「わーい、ぜひぜひ!」
博士「スケッチなど、何年ぶりじゃろうか。久しぶりじゃのう〜。ふんふんふん♪♪♪♪」
あるる「(ふふ、博士、楽しそう♪)」
博士「できたぞ!」
あるる「見せてください。・・・う、うおおおぉぉぉっっ(驚)!!!」
博士「あるる、どうしたのじゃ?」
あるる「なんて、なんて上手なんだ・・・博士って、こ、こんなに絵が上手だったんですね!」
博士「ふぉっふぉっふぉっ(照)若い頃はフリーハンドで図面も書いていたからのぅ〜」
あるる「す、すごいです!すごすぎます!どうやったら博士みたいに描けるようになるんですか?」
博士「知りたいかの?」
あるる「はいっ、博士! いえ、画伯!!」
博士「よし、それでは教えてしんぜよう。今日は気分がよいのぉ〜♪」
今回はスケッチについてお話します。
スケッチといってもアイデアスケッチ、説明用の鳥瞰図などもありますが、今回は図面を書くために設置環境や機械装置の採寸を行う場合に関してそのポイントを記します。
現場へ行って採寸する場合に、うまく測れない。
また帰ってきて図面化しようと思ったら採寸漏れがあったなどで苦労した経験を持つ人も多いのではないでしょうか。
まず、フリーハンドのスケッチ図といっても図面です。
他の人が見てもわかるようにする必要があります。
基本的に第三角法で、図面と同じ規則で描きます。
出来れば必要な部分以外も描いておくと、他の人もイメージが掴みやすくなります。
問題は必要な寸法を漏れなく正確に測定し、解りやすく記入することです。
まず、計測漏れ防止ですがX,Y,Z各座標における基準を決めることがポイントです。
Zは、通常フロア面ですが段がついていることもあるので基準が必要です。
基準を意識すると、測った寸法が宙に浮いているという事がなくなります。
Fig.1の760×500の位置について、鉛直方向は基準は下面ですが上面から下がってみることで位置を特定できます。
実際の図面では基準面から寸法記入すべきですが、現場スケッチでは測定困難な場合もあり、順にたどることが出来れば良いです。
しかし水平方向において、枠は測定してありますが位置を特定できません。
基準から見れば、抜けている寸法がどこかがわかります。
◎コンベックス
当然必要なものです。
正式には「コンベックスルール」と言います。
巻き尺の中で、断面が湾曲した金属テープのものをさします。
先端の爪は固定爪と移動爪があり、固定爪は引っ掛け測定専用で、移動爪は引っ掛けでも突き当てでも使用できます。
また湾曲しているため、伸ばしてもある程度までは保持します。
これを利用して、手の届かないところの寸法を測ることが出来ます。
メモリのある凹面を内側にしてU字に折り、対象物に向けて伸ばします。
対象物に突き当てて、コ型に広げて目盛りを読みます。
◎計測方法や便利グッズ
・角度ですが、分度器がない場合は勾配で測ります。
・メンディングテープを持っていると便利です。
鉛筆やボールペンで書くことが出来て剥離性も良いので端部ではない面でも
貼って仮に基準線を引いておくこともできます。
・フロアに基準線を引きたい場合は養生テープと油性ペンが良いです。
・手が届かない場所はレーザー測長器が便利ですが、無い場合は前記のようにコンベックスを伸ばします。
◎見やすくするために
フリーハンドでは線種がわかりにくいため色分けすることが有効です。
例えば
実態として存在するもの---黒
寸法線、寸法数値 ---------赤
移動時など特別な位置-----青
とすると下図のようになります。
斜投影図は、正面図としてA,B寸法を実際の比率で描き、奥行き線は45°として実際の比率の1/2で描きます。
等角投影図は、基準線に対し左右30°の線と垂直の線を引き、これを基準として平行に線を描いていきます。
寸法はA,B,Cすべての方向で実際と同じ比率で描きます。
フリーハンドでも、これらのポイントを押さえれば見やすいものが描けます。