【今月のまめ知識 第82回】図形の作図
公開日時:2020/01/29
とあるのんきな昼下がり・・・
あるる「うーん、やっぱり無理か・・・」
博士「おや、あるるよ、どうしたのじゃ?」
あるる「あ、博士、この紙に大きくて綺麗な円を描きたいのですが、
コンパスを忘れてしまって・・・」
博士「おお、コンパスか。懐かしいのぅ。どれどれ見せてごらん」
博士「・・・あるるよ、ペンが二本あるではないか」
あるる「へ? ペンならいっぱい持ってますけど・・・それが何か?」
博士「へ? だって正確な円を描きたいのじゃろう?」
あるる「はい・・・ですから、コンパスを忘れてしまって・・・」
博士「じゃから、ペンが二本あるではないかと・・・」
あるる「・・・?」
博士「・・・?」
博士「ほれ、貸してごらん。ペンを二本使えば、こうやって円は描けるんじゃ!」
(スイスイ)←円を描く音
あるる「わっわーーーー、すごーーーーい!! 博士、天才〜っ\(^o^)/」
博士「これの応用で、三角形も、正方形も、五角形だって描けるんじゃぞ」
あるる「え?ホントに? 博士、すごい! かっこいい!」
博士「知りたいかの(にやっ)」
あるる「は、ははははいっっっ!!」
博士「(笑)ものすごい前のめりじゃのう。よし、それでは教えて・・・」
あるる「もう、博士、早くはやく〜」
図形の作図
今回の豆知識は、皆さん遠い昔に算数でやったと思いますが、コンパスと定規で遊んでみましょう。
かつては、筆箱に三角定規とコンパスが入っていましたが、今ではほとんど使用することも無くなりました。
作図はCADがありますが、それがない環境でとりあえず色々書ける方法を示します。
パソコンがなくても、ペン2本と定規1本があれば良いです。
定規が無い場合は、直線の面があれば何でも良いです。
まず、コンパスの代わりにペン2本を箸を広げるように持ちます。
一方を紙の上の中心としたい位置に当て、ペン2本を固定したまま紙を回転させれば円弧が作図できます。
(ペンを固定し紙を回転させないと、一定の半径を維持することができません)
続いて、正三角形、正方形、正六角形の描き方は言うまでもありませんが、正五角形となると戸惑う人も多いのではと思うので、一通り描いてみましょう。
・正三角形
基線A-Bに対し、点Aを中心として弧Ra、Bを中心として弧Rbを描く。
その交点とA、Bを結ぶ。
・正五角形
点Aを中心、半径をA-Bとして外接円となる円を描く。
線A-Bの中点を求め、点Cとする。
点Cを中心としてC-Dを半径とする弧Rcを描き水平方向の中心線との交点をEとする。
点Dを中心とし半径をC-Dとして弧Rdを描き、外接円との交点をFとする。
線D-Fが正五角形の1辺となる。
任意の角の2等分が出来るので、3等分も作図できそうな気がしますが、実は不可能であることが証明されています。
(90°に対して上図の方法で30°を作図するなど特定の角度は除いて)
また、先に紹介した正六角形は外接円として描いていますが、それが内接円となる正六角形も描けば、円の周長は2つの正六角形の周長の間であり、円周率の近似値が求まります。
角を2等分していけば、正12角形、正24角形とより円に近くなっていくわけですが、アルキメデスは正96角形まで描き、円周率の近似値を求めたそうです。
今は円周率の計算も作図もコンピューターを使用しますが、マニュアルなやり方も魅力のあるものです。
フリーハンドでスケッチする場合など、上述のコンパスのように2本のペンを持った状態で真直ぐ引っ張れば平行線になります。
ちなみに、NICの打ち合わせ用紙は1マス5mmの方眼紙となっているので、スケールが無くてもそこそこ近い寸法でフリーに描くことが出来ます。