【今月のまめ知識 第61回】 見本市と展示会
公開日時:2018/04/23
とあるのんきな朝のひととき
あるる「博士ぇ、大変です! VIP招待券が届いています!!」
博士「おお、今年もそんな時期か。毎年送ってくれるんじゃよ」
あるる「博士、すごーい! VIPなんですね。さすがです!」
博士「いや、それほどでもないがのぅ(照)」
あるる「きっと、レッドカーペットの上を歩いて、美術館の館長さんが、つきっきりで案内してくれるんでしょうね・・・(うっとり)」
博士「うっとりしているところすまんが、それは“展覧会”じゃな。これは“展示会”の招待券じゃ」
あるる「え?展示会? 展覧会とは違うんですか?」
博士「うーん。美術館をイメージしていると、びっくりするじゃろうな」
あるる「じゃ、博物館?」
博士「どっちかというと、そっちの方が近いかのぅ」
あるる「???」
博士「ちなみに、“見本市”というものもあるんじゃが・・・」
あるる「え? 見本の市場? ますますわからなくなっちゃました!」
博士「ふぉっふぉっふぉっ。よし! 何事も社会勉強じゃ。この展示会に一緒に行ってみるか?」
あるる「やったーっ\(^o^)/ 初展示会!初VIPです!」
春はたくさんの見本市・展示会があります。
Webサイトであらゆるものが閲覧できる現在においても、会場でしか得ることができない情報、価値のために、たくさんの人が足を運びます。
さて、『見本市』と『展示会』の違いは何なのでしょうか? 本来の定義から整理してみましょう。
◎見本市
英語では Trade Fair
Tredeは「売買する」、「取引する」という意味です。
商品の見本を展示し、紹介・宣伝しながら、実際の売買を行う期間限定の市場ということです。
◎展示会
英語では show、Fair、あるいは Exhibition
Exhibitは「展示する」という意味です。こちらは見せることに重点を置いているわけです。
会場では見てもらい紹介・宣伝しますが、目的は販売して利益を出すことです。
また、参考までに『展覧会』と『博覧会』については以下になります。
◎展覧会
英語では展示会同様に Exhibition
しかし展示会が商品であるのに対して、こちらは美術品などを公開する会です。
販売ではなく、観賞を目的としたものです。
◎博覧会
英語では Exposition
文化財や生産品等を一般の多くの人に観てもらうために開かれる会です。
産業や文化の振興、促進を目的としています。
“市”と“展”の微妙な違い
イベント名をよく見て“市”が付いているか“展”が付いているかで、何を目的としているかという微妙な区別もつきます。
見本市と展示会、どうも日本では明確な区別がされていませんが、商談型見本市発祥の地とされているドイツでは、見本市は Messe、展示会は Ausstellungと明確な区別があるようです。
あくまで傾向ですが、『展示会』の方は業界団体が多いようで、業界全体の広報といった要素が高く、
『見本市』は実際に顧客獲得を目的としており、競争原理が強いものとなります。
また、見本市は既存商品が中心で、展示会は新技術による試作品が出展されることが多いです。
どちらも大切であり、こういった側面から見ると
・見本市は販売にしのぎを削る場
・展示会は新技術にしのぎを削る場
とも言えると考えます。
以下、展示会に関する経済産業省のウェブサイトを紹介しておきます。
【第1章】 P6に展示会の定義、P15に見本市の定義が記載されています。
【第2章】 P29~30に古代から現在までの流れが記載されています。
博士「どうじゃ、あるる、初めての展示会は?」
あるる「あぃや〜・・・・(あんぐり) なんですか、このスケールの大きさは! こんなに広くて、こんなにいっぱい並んでいて、こんなにたくさんの人が来ているとは!!」
博士「ふぉっふぉっふぉっふぉ〜。あるるにはちょっと刺激が強かったかのぅ」
あるる「(キョロキョロ)わぁ〜すごーい! なんだろう?あれは? わぁ〜、わぁ〜っ!!」
博士「驚いてばかりいると、迷子になってしまうぞ。しっかりついておいで。・・・って、言ってるそばから、いないではないか。おーい、あるる〜、あるるよぉ〜」
あるる「あ、博士ぇ〜、こっちです!! なんだか美味しそうなものが並んでいるので、ひとつ食べてみたいなと思って」
博士「ここはお店屋さんじゃないから、食べ物はないぞ。これはサンプルでメインはロボットの方なんじゃ」
あるる「そうなんですか・・・でも、動きが面白〜い!! ロボット、すごーい!! ずっと見てられますね!(きらりん)」
博士「興味を持ってくれたのは嬉しいが、ずっと見てられても困るのぅ(笑)」