【今月のまめ知識 第19回】 ブラケット、スタンドへの使用

公開日時:2014/10/28

博士「おい、あるる。ちょっとこちらへおいで」
あるる「は〜い。なんですか?」
博士「ほい。これ、なーんだ?!」
(といって、小さなL字プラケットを見せる)

あるる「ん??? 妖精さんの座椅子…?!」
博士「ぶ、ブー。違います。ま、あるるならギリ座れるかもな(笑)」
あるる「えー、なんですか? 早く教えてくださいよ〜」
博士「これは椅子ではなくて、「ブラケット」というものじゃ。
アルミフレームの用途を広げる、とっても便利な部品なんじゃよ」
あるる「え? ブランケット?って…寒くなると足元にかけるものですよね。」
あるる「なんだか固くて冷たそうなんですけど~」
博士「ちがうちがう! ブラケット! 「ん」が余計じゃ!!」
あるる「ぶら・・・けっと・・・?」
博士「そう、その通り。そもそもは壁や柱の「突起物」という意味で、
ここにいろんなものを固定して使うんじゃよ」
あるる「へぇ〜、そうなんですかぁ〜」
博士「よし、せっかくだから、どんな使い方ができるのか
詳しく見て行くことにしよう」
あるる「は〜い」

アルルちゃん01博士と等辺アングル  

 

 

昨年7月号「こんなところにアルミフレーム」のコーナーでもご紹介しましたが

アルファフレームの用途は、“骨組み”だけではありません。
色々な機器、部品を取り付ける「ブラケット」や「スタンド」としても
便利に使うことができます。

 

今回は、そんなアルファフレームのフレキシブルな面に注目し、
ブラケットやスタンドの製作例および製作方法、
さらに、その効果と注意事項について詳しくご説明いたします。

 

 

スタンド・ブラケットの製作例

 

 

 

スタンド


装置内で機器を取り付けるスタンド等は、通常、溶接構造で製作することが多いですが、
以下のような組合せで簡単に製作することが可能です。

ベーシックアルファフレーム⇒端面タップ加工

 

フラットバー⇒ザグリ、穴加工


 

スタンド図面&写真
ベーシックフレーム+フラットバー

 

プレート組合せブラケット


L型ブラケットでリブの付いたものは、通常、溶接構造で製作することが多いですが、
フラットバー表面への穴加工、相手部材へのタップ加工
以下のようなブラケットの製作が可能です。

昇降シリンダ部トリム
フラットバー表面の穴加工+相手部材のタップ加工

 

プレートブラケット


フラットバーを加工する事で
容易にブラケットの製作が可能です。
外形を切削する必要が無いので、穴加工のみとなります。

プレート7加工品
フラットバーを加工

 

アングルブラケット


アングル材を加工することで、
容易にブラケットの製作が可能です。
曲げや外形切削する必要が無いので、穴加工と面取りのみとなります。

アブソーバーブラケットトリム
アングル材を加工

このように、簡単な加工を施すだけでスタンドやブラケットとして使用できる
フラットバーやアングルは以下の種類を揃えております。

フラットバー&アングル

これらを使用して、メインフレームから小物ブラケットまで、
アルファフレームで容易に製作可能となります。

シャトルユニット
装置製作例①

 

洗浄搬送
装置製作例②

装置

 効果について


アルファフレームでスタンドやブラケットを製作した場合、 次のような効果があります。

加工費削減


アルミ加工品使用で、部品費が半分程度で抑えられる
(装置部品の中で40%はアルミ加工品に置き換え可能で、仮に20%を置き換えると 加工費全体で10%のコストダウンが見込めます。)

納期短縮


最初の6面加工がないこと、溶接や表面処理が不要になることで納期が短縮

管理削減


工程が単純 「材料手配⇒切削⇒完成」

軽量化


鋼製大物ブラケットに見られる軽量化の抜き穴といった無駄加工不要

加工歪小


大きな抜き穴や段付加工を行っても加工歪が少ない

設計標準化


設計パターンがシンプルになり、品質の統一化ができる
(鋼製L型ブラケットだと、曲げ, 溶接, 削り出しと多種製作法あり)

切粉価値


切粉廃棄時に売る事ができる (80%以上が同一材料のアルミ材ならば廃棄時入金となる)

注意事項について


アルファフレームでスタンドやブラケットを製作する場合の注意事項は、以下の通りです。

許容面圧に注意


アルミニウム合金は板としての剛性はありますが、耐力値(鋼材での降伏点)は 構造用鋼の約半分です。
ボルト座面、ノックピン強度等の荷重集中点には注意が必要です。

線膨張係数に注意


アルミニウム合金は熱膨張が大きい材料です。
線膨張係数を比較すると

アルミニウム:2.36×10-5 → 1mで10℃変化すると0.236mm変化
鋼材    :1.17×10-5 → 1mで10℃変化すると0.117mm変化

温度変化が大きい所で、組合せて使用する長尺品には注意が必要です。

素材精度に注意


形状寸法、ネジレ、曲がりの精度を理解して、使用してください (JISのアルミ押出し形材の寸法精度表を参照)。

 

あるる「いやぁ〜、いろいろありましたねぇ〜」
博士「プラケットやスタンドが簡単に作れるおかげで、複雑な機械装置の部品も、
スムーズに取り付けできるようになるんじゃよ」
あるる「アルミだから、好きな場所に穴もあけられるし…」
博士「お、あるる。わかって来たじゃないか」
あるる「えへへ♪ それにしても、すごいですよね! 発明した人、てんさぁ〜い\(^o^)/」
博士「ホントじゃな。ものづくりに携わる人の創意工夫の力は、本当にすごいのぅ」
あるる「ところで博士。博士はこのプラケットで何を作ろうとしていたんですか?
博士「あ、これか? ・・・まだ内緒じゃ。できてのお楽しみじゃ!」
あるる「えーー、博士のいじわるぅ〜。教えてくださいよぉ〜」

アルファ博士03

 

 

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