第41話 「メーカー直販サイト」から生まれた新たな可能性

公開日時:2020/11/24

前号までのお話

2001年、NICの本格的な自社Webサイトが出来上がり、順調なスタートを切ったかのように見えましたが、速すぎるインターネットの成長のスピードは、「検索→探す→ネットで買う」という新たな購買スタイルを製造業の中にも急激に浸透させていきます。ネットでもリアルの世界であろうと本質は同じ。お客様により便利に使っていただこうと努力を重ねるWebチームでしたが、検索が当たり前になるということは、裏を返せばネット検索にひっかからなければ、購入検討の候補にもならないということです。そんな状況に危機感を覚えたWebチームは、次なる一手となる「ネット販売」へ踏み切ることを決意をします。

様々な方法、選択肢がある中でNICが選んだのは「メーカー直販サイト」の構築でした。自分たちが作ったものを、自分たちの手で、お客様のもとに直接届けたい! その熱い思いを胸に、ゼロから直販サイトを構築し、2012年4月、「NIC Direct(エヌアイシ・ダイレクト)」完成。無事オープンの日を迎えました。

ゆっくりと、しかし着実に、歩き始めた直販サイト

初めて手掛けることには不安はつきものです。2012年4月にオープンした直販サイト「NIC Direct(エヌアイシ・ダイレクト)」は、ほとんど広告などを打たず、身の丈にあわせたスタートでした。しかも、オープン当初の「選んで買う」だけしかできない、ごくごくシンプルなサイトです。

 

「お客様、本当に来てくれるのかな?・・・」という思いは常にそばにありましたが、それでもWebチームにとっては大きな前進でした。

 

直販サイトができる前までは、取引条件の確認や新規口座開設などで納品まで平均1週間、タイミングが悪いと10日ほどかかってしまうこともありました。


しかし、NIC Directを使えば、遅くとも早ければ2〜3日で製品が届きます。

 

このスピード感に加え、社内の様々な手間を省くことによって実現できた価格、さらに個人のお客様でも「メーカーから直接買える安心感」が評価され、ゆっくりとした足並みではありましたが、次第に利用者は増えていきました。


そして嬉しいことに、一度買ってくださった方々が、2度3度と、リピートして利用してくれるのです。これがWebチームにとって大きな励みとなったことは、いうまでもありません。

 

 

今まで「見えなかったこと」が見えてきた

まったくの手探りの状態から始まった直販サイトの運用でしたが、

「リアルもネットも大切なことは同じ!」「お客様が便利になること!」

をポリシーに、お客様の直の声を聴きながら、お客様ひとり一人と向き合っていきました。

 

すると、今まで気づかなかったこと、見えなかったことが見えてきたのです。

 

たとえば、「たくさんの商品を一つずつ選択するのが面倒」とか、「個人でも購入できるの?」「領収書は発行してもらえるの?」・・・といった感じです。

 

まさに「体験に勝るものなし」です。ネットショップの運用については、インターネットはもちろん書籍などでもたくさんの情報や知識を得ることも、頭で理解することもできますが、こうして五感を使った「実体験」として吸収できたのも、受注から発送までの行程を、他社の手を通さず、すべて自社で行ったからこその賜物です。

 

このお客様からいただく様々な情報は、今もなお、かけがえのない宝物です。

2020年、「NIC Direct」はまだまだ進化中!

早いもので「メーカー直販」の看板を上げてから、もうすぐ10年が過ぎようとしております。見た目はあまり変わっていないように思われるかもしれませんが(笑)、お客様からのご意見をもとに、少しずつ「もっと便利に使って欲しい」を、カタチにしています。

そのひとつが、「CSV・エクセルデータから一括試算/一括購入」のシステム導入です。

 

これは、製品の型式と数量をエクセルなどであらかじめ作っていただき、そのデータをサイトに直接流し込むだけで、見積もり、さらには発注までができるというもの。おかげさまで大変好評をいただいております。

 

NIC Direct CSV・エクセルデータから一括試算/一括購入画面

さらに、お客様に購入の選択肢を広げていただけるように、「モノタロウ」と「ミスミVONA」さんとのおつきあいも始めました。

 

彼等は常に時代の先を見据え、モノを売るプロです。私たちメーカーとは、目の付け所、見ている景色が違います。気づくことができたのも、自分たちの手でメーカー直販サイトを手掛けたからに他なりません。

 

「物を売るプロ」と「物を作るプロ」が良いパートナーシップを結ぶことで、より迅速にお客様のニーズに応え、製品をアップデートすることができるようになりました。本当にこのご縁に感謝です。

 

▼モノタロウサイト
https://www.monotaro.com/s/b-7637/

 

▼ミスミVONAサイト
https://jp.misumi-ec.com/vona2/maker/nic_autotec/

製品を通して生まれる新たなコミュニケーション

「NIC Direct」の認知が次第に広がっていくにつれ、製造業界内だけでなく、一般の方の利用も着実に増えていきました。この「個人のお客様の動向」が、Webチームにとって新たな刺激になりました。購入してくださった製品を通して、新しい発見、新たなものづくりのヒント、そして新たなコミュニケーションが生まれていったのです。

 

その中の一つをご紹介しましょう。あるお客様が、お一人で大量のアルミフレームとオプション部材をご購入くださいました。バックヤードでは「一体を作られるのか?」と話題になる程の数量です。そこで勇気を出してお尋ねしたところ、ご購入者は小動物・爬虫類用のケージを製作販売されている「きなとのケージ屋さん」だったことがわかったのです。

 

そのやりとりがきっかけとなり、『こんなところにアルミフレーム』のコーナーにご登場いただきました。メルマガ編集部の突撃インタビューにも快く応じていただき、実のあるレポートをさせていただきました。その節はお世話になりました。この場を借りてお礼を申し上げます。

 

▼記事はこちらです。
小動物用ケージにアルミフレーム♪ By きなとのケージ屋さん
https://alfaframe.com/use/10367.html



 

ブラックフレームを使ったハリネズミハウス

こちらはカラフル!ホワイトフレームのハリネズミハウス

爬虫類専用ケージ。中にいるのは「レオパ」です

「メーカー直販」という選択をしなければ、こんな大きな「ギフト」はもらえなかったのではないかと今なら素直に思えます。そして、私たちが積み上げてきたのは、単なる販売実績だけではなく、こんな楽しい未来に向けてのノウハウだったのだと思うと、私たちの選択は間違えていなかった。改めてそう実感しています。

 

2020年、コロナ禍による未曾有の経験を経て、「モノを作る」「モノを売る」大切さを改めて考えさせられました。そんな中でも私たちができることは何か。私たちにしかできないことは何か。真摯に考え、向き合い、カタチにし続けてまいります。どうぞご期待ください。

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