アルファ博士の気ままにトーク♪ 第23話 古都の名所を訪ねて ~予約して のんびり参観 ほっと一息~
公開日時:2025/02/26
のんびり、京都の名勝
最近は、日本各地の名所旧跡、特に京都は海外からのお客さんで猛烈に賑わっています。
なので「そうだ、京都に行こう」と思い立っても、二の足を踏んでしまう状況です。
今日はそのような中でも、事前に予約をしてのんびり参観することができた2箇所の名勝、
「修学院離宮」と「桂離宮」をご紹介したいと思います。
修学院離宮と桂離宮の予約
「修学院離宮」と「桂離宮」は皇室の離宮で、今は京都御所などと共に宮内庁が管理しています。
参観は予約や整理券が必要なこともあって、ずいぶん前からこの2箇所を訪問するのは「長年の懸案」でしたが、ここ数年である程度スケジュールを前持って予定できるようになってきたので、思い切って予約してみました。
以前の予約は郵送での申込みでしたが、今ではインターネットからも予約できるようになっています。
また当日の朝には、人数限定ですが現地で整理券を配布しています。
離宮
離宮とは、文字通り皇居とは別に離れた場所に作られた宮殿のことで、
人里離れた閑静な場所で、別荘あるいは引退後の住居になった場所です。
現在京都には、修学院離宮と桂離宮の2箇所があり、共に江戸時代初期に造営されました。
修学院離宮への道
冬のある日曜日の午前。予約した時間に修学院離宮を訪れました。
京都の中心地から市バスに乗って20〜30分、大原の方向に向かいました。
最寄りのバス停「修学院離宮道」で降り、東の山の方に足を向けてゆるい坂を小川沿いに進んでいきます。
この道沿いは今は閑静な住宅地ですが、昔の京都郊外の様子を想像しながら歩いていき、15分ほど歩くと修学院離宮の入り口に着きました。
予約の時間までまだしばらく余裕があったので、この場でしばし待つことに。
参観は、グループで説明を聞きながら
予約の時間が近づくと、予約した方々がだんだんと増えてきましたが、年始早々の時期のせいか、思っていたほど多くなく20人ほどでした。
指定の時間となり受付を済ませると、係の方から参観の方法や諸注意について説明がありました。
離宮内の参観は、説明を聞きながらグループで一緒に見学する方法です。
修学院離宮は周囲の山々を借景
修学院離宮は、「下離宮(しもりきゅう)」「中離宮(なかりきゅう)」「上(かみりきゅう」と呼ばれる、3段階の高さの位置に、それぞれ庭園と建物があります。
参観の待合所兼休憩所の場所から、左手側に進んでいくと、そこは「下離宮」です。
下離宮の庭園と建物は、とても落ち着いた雰囲気で、周辺の山々が背景に見えて、山里の雰囲気を感じることができました。
下離宮 周囲の山を借景
都の郊外の田園風景「中離宮」への道
今回の参観で一番印象的だったのが、離宮の敷地内に保存されている田園の「棚田の風景」です。
現在も、近隣農家の協力で耕作が続けられており、すっかり家が立ち並ぶ都会になった京都市内で、このような郊外の風景が見られるとは思いませんでした。
これだけ広い場所の田園風景を維持していくのは、大変だと思います。
都の郊外では田園風景が保存されている
天空の庭園「上離宮」(うえりきゅう)
さらに上がっていくと、そこは「上離宮」です。
谷川を堰き止めて作られたという「浴龍池」は、空を鏡のように写していました。
その様子はまさに「天空の庭園」でした。
上離宮の小径を行く
天空の庭園 上離宮の浴龍池
浴龍池にかかる千歳橋
次は「桂離宮」へ
さて、次は「桂離宮」です。
京都の中心である京都河原町駅から阪急京都線で約10分ほどの桂駅で降りました。
桂離宮も京都の郊外ですが、電車だと近いですね。
江戸初期の頃は、牛車や御輿で訪れたのでしょうか…。
桂駅からはスマートフォンの地図を頼りに、住宅地の中を20分ほど歩きました。
桂離宮をよく覚えているのは、中学校の美術の教科書に出ていて、それを宿題で模写したからだと思います。
ドイツの建築家ブルーノ・タウトが「私は桂離宮の『発見者』だ。泣きたくなるほど美しい。」と絶賛したという話が伝わっています。
これは外国の人に言われて良さがわかるというより、外国の人にも良さがわかる普遍性ということでしょうか。
奈良にある薬師寺の東塔をアメリカの美術研究家フェノロサが「凍れる音楽」と讃えた話と似ているようにも感じます。
桂離宮 一部修理中
建築と庭園の調和
桂離宮というとメインの建物が有名で、その写真は教科書で見ていたのですが、離宮の全体がどのようなものなのかは今まで知りませんでしたが、今回、庭園を歩いて巡っていくと次々と景色が変化して、新しい風景が目前に広がるのが面白く楽しむことができました。
桂離宮を褒める言葉は色々とありますが、「建築と庭園の調和」という言葉は、やはり実際に訪れてみると納得するところでした。
庭園の小径から建物を望む
桂川と桂離宮
またこれも今回わかったのですが、桂離宮は桂川の西岸に接する場所に作られていて、昔は庭園の池から桂川に舟を漕ぎ出せるようになっていたとのこと。
自然と一体となって作られていて、それを楽しむところも、日本の庭園の素晴らしいところですね。
庭園の池と茶屋
桂離宮の庭園
桂離宮の庭園は、大きな池を中心にその周りに幾つかの茶屋が配置されていて、小径で巡るようにできています。
小径を巡りながら変化する眺めを見るのも楽しいですし、茶屋の軒先に座ってゆっくりと庭園を眺めるのも落ち着いてよかったです。
茶屋から庭園の眺め
予約して、のんびり京都
今回、長年の懸案だった修学院離宮と桂離宮を訪問することができました。
事前に予約が必要だったり、見学はグループで決められた経路をめぐるなどの制約はありますが、
皆様にも是非訪問をおすすめしたいです。
都の喧騒を離れ、郊外の離宮でのんびりした雰囲気を味わうのも乙なものです。
今回のお話は以上です。