いまさら聞けない基礎用語!【コ】#033 航空機
公開日時:2024/05/28
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今月の基礎用語:コ#033
航空機
aircraft
あるる「博士、博士ぇ〜〜、見てください〜〜〜、早く早く!!」
博士「どうしたあるる、そんなに大きな声を出して・・・。おっ、ドローンではないか」
あるる「はいっ!! ついに先日、おじいちゃんに買ってもらっちゃいました!! 今、一生懸命、操縦の訓練をしています。小さいけど、カメラもついているんですよ。よっ、ほっ!」
博士「おお、うまいではないか。今度これで素敵な航空写真を撮っておくれ」
あるる「はいっ! がんばるます!!」
博士「ちなみにドローンは100g以上になると登録が必要じゃが、これはそれより小さいようじゃが?」
あるる「はい、おじいちゃもそのあたり調べてくれて、100g未満のものを選んでくれました」
博士「さすが、あるるのおじいちゃんじゃ。それにしても最近のドローンは小さくても本格的じゃのう。ただ、機体が軽いと風に飛ばされやすいから、気をつけねばな」
あるる「ですねー。飛行機は『軽いから飛ぶ』って、博士が教えてくれました」
博士「そうじゃったな。よく覚えていたのぅ。ちなみに、あの時は余計な混乱をさせないように、特に言わなかったのじゃが、厳密にいうと飛行機と航空機は別物なんじゃ」
あるる「えっ!? そうなんっですか???(驚) (グラグラ←ドローン)」
博士「おお、危ないっ!」
あるる「じゃぁ、みんなが飛行機と呼んでいるものは?」
博士「正しくは航空機じゃ。ちなみに航空法ではドローンは無人航空機に分類されとるぞ」
あるる「そうなんですね!さすが博士、そのあたりもっと詳しく教えてください」
博士「そうじゃな。でもその前に、久しぶりに航空機のおさらいじゃ!」
飛行機はなぜ空を飛べるのか?!
航空機を見て、あんなに大きくて重いものが何故空を飛べるのか?
と思われがちですが、実はあんなに軽いものが飛ばないはずはないと言えるのです。
「ボーイングB787-9」をボーイング社のHPで調べてみると
○全長63m
○ウィングスパン(全幅)60m
○最大離陸重量が254ton
最大離陸重量は燃料も人も荷物もフルでしょうから、仮に
○燃料100kLittele×比重0.8=80,000kg
○人と荷物が(65kg+20kg)×250人=21,250kg
とすると、合わせて約100tonですから
機体本体は約154tonとなります。
でも、きっと、もっと軽いでしょう。
いずれにしても、254tonのものが浮き上がるのです。
ここで感覚的にわかるスケールに置き換えてみたいと思います。
すべてのパーツを材質そのままで、1/100スケールで製作したとしましょう。
(ちなみに、「ダウンサイズ」という映画では、人間を1/14にしていますが、飛行機は大きいのでもっと小さくしました)
○全長630mm
○ウィングスパン600mm
○質量は1/106
になります。
つまり本体は、150,000kg×10-6=0.15kg
最大離陸重量でも0.254kgです。
幅600㎜の翼を持つ飛行機が、燃料満タン、お客さん満席で254gです!
飛ばないわけがありません。扇風機の風を当てても浮きそうです。
飛行機の「軽さ」の秘訣
しかしまあ、どうしてそんなに軽く作れるのでしょう?
それは大部分がアルミニウム合金とカーボンファイバーで製作されているからです。
最新型機ではより軽くするために、カーボンファイバーの比率が上がっていますが、元々はほとんどアルミニウム合金だったわけです。
そして、より軽くするためにどうするかですが、
よく飛ぶように羽根を大きくすると、それを支える丈夫な機体が必要となり、
その丈夫な(重い)機体を飛ばすために、より大きな羽根が必要となります。
しかし、逆に本体も羽根も軽くすることで、さらに互いを軽くできるという良い結果を生みます。
これは「自動化機械」においても同様のことが言えます。
動く部分を軽く設計することで、モーターも小さなものを使用でき、質量も軽くなるので、そのブラケットも軽量なものとなり、動作部の運動エネルギーが小さくなり、マシンフレームも軽量なものとすることができます。
もちろん、物理的に質量が必要となる場合もありますが、それは必要な部分にウェイトを配置すればよいことです。
まずは軽量化がエコ設計の第一歩と言えます。
博士「どうした、あるる。あんぐりと口が開いたままだぞ」
あるる「あ、あんまりびっくりしたんで、閉じるの忘れてました」
博士「なにをそんなに驚いたんじゃ?」
あるる「だってだって、、1/100スケールとはいえ、満タン満席で254gとは!! このドローン2台半くらいじゃないですか!」
博士「ふぉっふぉっふぉっ。数字にすると軽さが実感できるじゃろう」
あるる「ええええ、かるっ!! って思いました」
博士「よし、その感覚が大切じゃ。・・・ということで、しっかり頭を使った後は、気分転換が必要じゃ。あるるよ、ちとそのドローンを貸してはくれぬか・・・」
あるる「博士も飛ばしたかったんですね。もう、素直に言ってくれればいいのに・・・」
博士「えへへ(照れ)」