【Q&A】 No.7  選定を相談したいのですが、どのような条件を提示すればよいですか? また選定の目安を教えてください。

公開日時:2013/10/29

【Q】選定を相談したいのですが、どのような条件を提示すればよいですか?   また、選定の目安を教えてください。


 

装置架台を製作する上で、選定を相談したいのですが、どのような条件を提示すればよいですか?

また、フレーム選定の目安を教えてください。

 

【A】フレーム選定のための基本的な条件は3つあります。また、目安についても詳しくお答えします。


 

ご質問ありがとうございます。

 

アルミフレームというとカバーのイメージが強かったり、「軽い→弱い」というイメージをお持ちの方も意外と多いのですが、適切な選定、設計を行うと非常に使い勝手の良い装置架台を、安価に、しかも敏速に製作することができます。

 

では、まずはフレームの種類を選定するための条件からご説明しましょう。

基本的な条件は、次の3項目になります。

 

フレーム種類選定のための基本条件


 

・積載される荷重 

・許容される変位量 

・まとまった質量が大きな加速度で動く場合は、その条件 

 

場合によっては搬送時の荷姿や耐震性なども考慮する必要があります。

 

鋼材で製作した場合の目安があるのであれば、そこから置き換えることも容易です。

この場合は、曲げ剛性(縦弾性係数×断面二次モーメント)が同じになる部材を選べばよいです。
アルミニウムの縦弾性係数は鋼材の約1/3ですから、断面二次モーメントが3倍の部材が同等の剛性(ある荷重をかけたときに変位量が同じになる)となります。

これらを一覧にしたグラフがありますので参照ください。

曲げ剛性比較グラフ
曲げ剛性比較グラフ

 

※このデータは弊社Webサイトの「アルファフレームの技術データ集」→「曲げ剛性比較グラフ(PDF:726KB)」に掲載されています。

↓↓↓↓コチラからダウンロードできます。
http://www.nic-inc.co.jp/alfaframe/support/technical/index.html

 

また多くの場合、応力ではなく変位量のほうが問題になります。

 

AFS-4040L-8で長さ1000mmの梁の場合


Q&A07_image

 

許容応力は、耐力の75%となります。
(9月号まめ知識No.6「解析で解ることとその意義」許容応力の考え方を参照下さい)

 

【許容荷重】
W=8×σ×I/(L×h)
   =8×(205×0.75)×100000/(1000×40)
   =3075(N)

 

これをkgにするときは9.8で割るので
3075÷9.8=313.8kg
となり、約314kgの許容荷重となります。

 

【変位量】
W×l³/48×E×I
  =3075×1000³/48×68000×10×10⁴
  =9.43(mm)

 

両端支持梁では中央集中荷重での許容荷重は3075N(314kg)となりますが、その時の変位量は9.4mmとなり、見た目に不安を感じるでしょう。

 

ですから、
許容できる変位量から考え、その時の許容荷重に対する安全率を確認するのが良いでしょう。

 

この計算は一般の材料力学の公式です。

材料力学公式

 

なお、アルミフレームで組立てた筐体を、両端支持梁か両端固定梁か、どちらで計算すれば良いかという問題ですが、普通にブラケット接続すると、その中間になります。

安全サイドで考えるなら両端支持梁で計算する事を推奨します。

支持梁と固定梁では変位量は4:1ですから適切な接続がされていれば、
変位量は支持梁での計算値の約1/2程度、強固に接続すれば固定梁に近くなると考えてください。

また、特に変位量の目安が無く、見た目に曲りを気付かないようにしたいのであれば、
フレーム長の0.1%程度(長さ2mなら2mm)の変位量が良いようです。

 

当社の「アルファフレームシリーズ」を目安にしてみると・・・


 

当社アルファフレームでは基本的に4シリーズがあります。

 

・M4シリーズ
基準寸法20mm、取付けネジサイズM4

・M6シリーズ
基準寸法30mm、取付けネジサイズM6

・M8シリーズ
基準寸法40mm、取付けネジサイズM8

・H10シリーズ
基準寸法50mm、取付けネジサイズM8,M10

 

NIC規格サイズ

 

製作する物によって「何が適しているか」をシュミレーションしてみましたので、参考にしていただければ幸いです。

 

 

小型カバー・センサーブラケット


M4シリーズが適します。

 

マシン全体カバー


マシン全体カバーとしてはM6シリーズ30角から、大きめのカバーであればM8シリーズ40角適します。
それぞれに肉厚の異なる3種類のフレームがありますが、カバーの場合は中間のスタンダード級を推奨します。
負荷の小さなものや扉部などはライト級も可です。また積載物があったりサイズが非常に大きい場合は適宜、60角や80角など太いフレームを配置するのが良いでしょう。

 

装置架台(小型)


装置架台としては、幅500mm程度の小型軽量のものであればM6シリーズ30角30×60、幅800mm程度までならM8シリーズ40角くらいが適します。

 

装置架台(中型)


それを越える中型の架台だとM6シリーズ60角くらいが使い易いです。
スチール□50mm角パイプとAFS-6060-6は同程度の剛性になります。

 

装置架台(大型)


大型あるいは大きな荷重のかかる架台だとM6シリーズ60角で中間梁を入れてラーメン構造とするかM8シリーズ80角が適します。

こちらもそれぞれ3種類の肉厚のものがありますが装置架台では基本的にヘビー級を推奨します
比較的軽荷重であればスタンダード級でも良いでしょうがライト級は架台には適しません

基本的に架台の場合には正方形断面のフレームを使用する事を推奨します。
これは単なるたわみのみでなく、ネジレなどを考えた場合に有利になるからです。

また、単なる□型ではなく、日の字型、目の字型に梁を入れてラーメン構造にすることは剛性確保に非常に有効です。

 

装置架台(超大型)


さらに超大型、高荷重がかかるものであればH10シリーズを使用すると非常に高い剛性を確保できます。

 

 

 

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