【今月のまめ知識 第52回】機械用語

公開日時:2017/07/25

とあるのんきな昼下がり・・・

博士が外出したのをいいことに、あるるは冷蔵庫へまっしぐら。
ひとりこっそり、アイスを堪能しようとしています。

 
あるる「へっへっへっ、これが食べたかったんだよねぇ〜。新発売のア・イ・ス♪」

あるる「ひゃ〜、冷たくて、おいし〜! 鬼の居ぬ間の何とか、サイコー\(^o^)/」

博士「やけにおいしそうじゃな、あるるよ」

あるる「・・・う、うわっ〜!!! は、はかっ! 博士??!(驚驚驚驚!)お出かけしたのでは・・・?!」

博士「忘れ物じゃ」

あるる「(ドキドキ)ひ〜、ビビった〜(ドキドキドキドキ)超ビビったぁ〜」

博士「ふぉっふぉっふぉっふぉっ、ビビったか、そうか、ビビったのか」

あるる「ええ、心臓が口から飛び出るかと思いましたよ」

博士「ところであるる。「ビビる」って、機械にも使うって知っていたかな?」

あるる「え? そうなんですか?」

博士「ま、製造業界の専門用語というか、業界用語というか。一般的には「機械用語」と言っているな」

博士「ほかにも「おしゃか」とか「ばか」とか、面白いのがいっぱいあるぞ。よし、今日はその話をしよう!」

あるる「・・・博士、出かけなくていいんですか?」

博士「おお、そうじゃ、忘れるところじゃった。では、帰って来てからじっくり話すとしよう。おとなしく待っておるように。アイスは食べてもよいぞ」

あるる「は、は〜い・・・ありがとうございます。いってらっしゃ〜い・・・」 

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様々な分野で専門用語、業界用語があり、私たち製造業が使うのは、主に「機械用語」といいます。

今回は、機械関係において、“昔から使っているけれど、普段の生活ではあまり耳にしない”言葉や、

一般的な使い方とは意味が異なるもの、面白いと思う表現をいくつかピックアップし、解説してみます。

 

おしゃか

失敗して使い物にならなくしてしまうこと。加工ミスなどで廃棄となってしまうもの。
お釈迦さまに申し訳ないような表現ですが、失敗を繰り返さないようにお祈りしながら廃棄しましょう(-人-)。

 

かじり

「軸がかじった」などと表現しますが、摺動面において異物混入や熱膨張などで相手に傷を付けたり
食い込んで動かなくなるような現象です。

また、ステンレスの「おねじ」「めねじ」を締め付ける場合に、摩擦熱によって焼き付きを起こすことがありますが、
これも「ねじがかじった」と言います。
まさにリンゴをかじった時のように食い込んで滑らない状態です。

 

サブロク、シハチ

フィート規格での鉄板など材料の大きさです。
サブロク → 3 ft × 6 ft = 914 mm × 1829 mm
シハチ  → 4 ft × 8 ft = 1219mm × 2438 mm

 

心心(しんしん)

部材のセンター間距離
そのまんまの表現で感覚的にもわかりやすいですね。

 

サチる

変化がなくなり定常状態になった時に使います。Saturation(飽和)からきていて
元々は化学において飽和状態を示す表現だったようです。

 

ジャムる

これはかなり一般的にも使われているかと思いますが、機械において何らかの詰まりが起こる事です。
交通渋滞はTraffic jamですからこちら「ジャムってる」などと言ったりしますね。

 

ダンマリ

機械が何のアラームも出さずに停止している状態の事です。
機械の黙秘権行使、原因究明に時間がかかることが多いです。

 

チョコ停

大きな障害のある故障ではなく、破損などを伴わない一時的なトラブルで、容易に復元できるものを言います。
「ちょこっと停止する」なのでしょう。原因がはっきりしない場合が多く、オペレータが簡単に復帰できるために
放置されがちですが、回数が多いと生産性に大きな影響を与えます。

 

ばか穴

ネジが切られておらず、寸法公差もない通し穴、そこに通すボルト径に対してクリアランスのある穴の事です。
きちんと加工してあるのに失礼とは思いながら使っています。

 

ビビり

切削加工において刃物が振動して加工面が波打った状態になること。
共振あるいは剛性不足、人も機械もしっかりしていればビビらない。

 

CW(clock wise)

右回転、時計回りです。
モーターにおいて出力軸側から見た時の回転方向として表現します。
回転方向は勘違いしやすいところなので、回転軸などでは出力軸側、他の旋回するものでは
「□□から見てCW」などと表現すると間違いがないでしょう。

 

CCW(counter clock wise)

左回転、反時計回りです。
モーターにおいて出力軸側から見た時の回転方向として表現します。

 

正式な用語からスラングと思われるものまで、まだまだたくさんあります。

また機会を見つけて、ご紹介しますね。

 

博士「どうじゃな、あるる。機械用語は」

あるる「おもしろいっ! 面白いです! 久々に楽しい授業でした!」

博士「久々とは失礼じゃな」

あるる「あ、すいません。特に「ビビる」は心に残りました。もう、一生忘れません!」

博士「おお、そうか。あるるももう少ししっかりして、何があってもビビらない子に育ってもらいのぅ」

あるる「へへへ。頑張ります♪ でも、博士ぇ〜、こういう用語がスラスラ〜っと出てきたら、カッコいいですよねぇ〜

博士「あるるがさっきわしに驚いて、冷蔵庫前でちょこ停してからCCWして、ビビり過ぎてもう少しでおしゃかになりそうだった、とかか? さぞやアイス、美味しかったろうなぁ〜」

あるる「あ。。。う。。。はい・・・とっても美味しくいただきました・・・(ひぃ〜、博士、根に持ってる〜)」

 

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