【今月のまめ知識 第38回】HEPAフィルターについて

公開日時:2016/05/24

とある天気の良い爽やかな朝・・・

 

あるる「はぁ・・はぁ・・・はーくしょん!しょん」

博士「どうした、あるる。朝から豪快なクシャミなどしおって。ハクション大魔王が出て来そうだったのぅ」

あるる「何を言っているんですか。見ればわかるでしょ。掃除機かけるの好きなんですけど、なぜか今日はクシャミが…」

あるる「んは、はーくしょん!」

博士「大丈夫か? 風邪じゃないのか?」

あるる「いいえっ!ホコリです。ホコリのせいです!」

あるる「ねぇねぇ、博士ぇ〜、可愛い教え子の健康のために、空気清浄機、買ってくださいよ〜」

博士「・・・(聞こえないふり)」

あるる「聞こえてます? く・う・き・せ・い・じょ・う・き!」

博士「そんな大声出さなくてもきこえておるわい」

あるる「だって、返事してくんない・・・」

博士「いいか、あるる。この掃除機はHEPAフィルター搭載じゃ。そんなにホコリは巻散らかさんぞ」

あるる「え? 今なんて言いました? 何フィルタ?」

博士「ヘパ・・・ヘパフィルターじゃが・・・」

あるる「何それ! 可愛いっ名前! ヘパ? ヘパ!」

博士「妙なところが気に入ったようじゃな。HEPAフィルターは、多くの空気清浄機にも使われておるぞ。よし、じゃ今日はHEPAフィルターの勉強から始めるとしようか」

あるる「へぱーーっ\(^o^)/(←賛成と言っているつもり)」

 

 

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空気中からゴミ、塵埃などを取り除き、清浄空気にする目的で

クリーンルームから空気清浄機、掃除機に至るまでHEPAフィルターが使われています。

今回はこの「HEPAフィルター」についてお話しします。

 

HEPAフィルターとは


 

HEPAフィルターとはHigh Efficiency Particulate Air Filterの略で、

高性能フィルターという事です。
JIS Z8122にて「定格流量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、

かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルター」と規定されています。

 

濾材はグラスウールが主材として使われ、ブリーツ状に折られています。

 

粒子の捕集原理


 

HEPAフィルターは次の5つの方法で粒子を捕集します。

 

・慣性は、比較的大きな粒子が濾材をよけていく空気の流れに乗らず、
直進して濾材に捕集されるものです。

 

・衝突は、その名の通りで、入ってきて濾材に当たるものや、
濾材の隙間を通り抜けれなかったものです。

 

・重力は、空気抵抗などで運動エネルギーを失い重力で落下して、
濾材に衝突するなどで捕集されるものです。

 

・拡散は、粒子がブラウン運動によりランダムな動きをして、
濾材に捕集されるものです。

 

・静電気は、粒子と濾材の静電気力によって捕集されるものです。

 

HEPAについて図01
粒子の捕集原理

 

慣性による捕集効果は粒径が大きいほど強く、拡散は粒径が小さいほど強くなります。

衝突は粒径にはあまり関係なく、重力や静電気力は他の要因でも左右されるので

一概には言えないようです。

 

このように、粒径が大きいものを得意とする効果と、小さいものを得意とする効果があり、

その谷間としてどうも0.15μm前後の粒子が最も捕獲が困難であるようです。

 

HEPAについて図02b
フィルターの効率

 

 

 寿命について


 

クリーンルームなど管理された環境の中では半永久的と言われている場合もありますが、

さすがに一般環境ではプレフィルター無しだと1年ももたないこともあります。

 

基本的に長寿命ではあるのですが、それは濾材がブリーツ状になっているため

広げた面積は吹き出し面積の30倍以上もあり、

クリーンルームのフィルター面風速0.3~0.5m/secで考えると

濾材通過風速は0.01m/sec程度と、非常に低速となるため

濾材や粒子の間を通り抜ける空気に空気抵抗がほとんど発生しません。

これが長く使っても圧力損失が上昇しにくい理由です。

 

 

一般環境で使用する場合には、プレフィルターを取り付ける事を推奨しています。

Q&A vol.13「フィルターのメンテナンス方法などについて教えてください」に記した通り、

FFUの吸い込み口にプレフィルターを装着する事で、HEPAフィルターの寿命をのばします。

※プレフィルター取付時は、風量が約10%減少します。

 

 

注意事項


 

HEPAフィルターが最も苦手とするのはオイルミストです。

オイルミストは付着すると結合していって膜を作ってしまいます。

こうなると空気の通り道がなく目詰まり状態となってしまうわけです。

オイルミストはフィルターではなく専用の除去装置を使用して取り除き、

HEPAフィルターには吸い込ませないようにする必要があります。

 

追記


 

ULPAフィルター(Ultra Low Penetration Air Filter)もありますが、

これはHEPAフィルターより高性能なものです。

 

JIS Z8122で「定格風量で粒径が0.15μmの粒子に対して99.9995%以上の粒子捕集率をもち、

かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルター」と規定されたもので、

HEPAフィルターより繊維密度を高め、濾材の空気抵抗を抑えるために薄くしているので

強度はHEPAフィルターより弱くなっています。

 

あるる「へぇ〜。ヘパって“高性能”って意味なんですね。

あるる「可愛い名前なのに、やるね!憎いね!このこのぉ〜♪」

博士「本気で気に入ったようじゃな」

あるる「そんな高性能のフィルターが入っているとわかったら、よけいに掃除が楽しくなります!」

博士「それはよかった。じゃ、空気清浄機はいらんな」

あるる「えー、それとこれとは・・・はーくしょんっ!(ずびっ)」

博士「大丈夫か?今はホコリも飛んでないというのに…。やっぱり風邪ひいたのではないか?、あるるよ」

あるる「(ずびっ)い”い”え! びいでまでん! 風邪な”んがびぎまぜん」

あるる「ホコリのせいじゃないとすれば・・・きっと妖怪のせいです!」

博士「そんなこと言っとらんで、今日は早く帰って休めよ。おだいじにぃ〜」

 

アルファ博士08

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