おーっとテック物語 第30話 KAKCHARが目指す次なる一歩

公開日時:2018/01/29

前回までのお話

日本市場にかつてないほどの衝撃をもたらしたリーマンショック。押し寄せる巨大な荒波をなんとか避けようと、製造業全体は一気に守りの体制へと方向転換せざるをえなくなりました。その状況は産声をあげたばかりの「KAKCHAR(カクチャ)」にとって非常に厳しいものでした。削れるものは削り、身を低くしてじっとやり過ごす・・・そんなムードが蔓延する中、新しいシステムを理解し、そして試してみようと思う企業は壊滅状態でした。

しかし、KAKCHARチームは諦めません。今は時代が悪いだけ。そして時代は繰り返すーーー。この言葉を胸に、近い将来訪れるKAKCHARが必要とされる時代のために、「今できること」に集中したのです。

幸いなことに時間はたっぷりあります。フル稼働していた頃には味わえなかったお客様との対話、社内のメンテナンス、そして次世代のための開発に取り組んで行ったのです。

リーマンショクの荒波の中で

2008年から9年にかけて、日本市場は相変わらず厳しい状況が続いていました。眉間にシワを寄せ、世間の動きを悲観的に見る人が多い中、KAKCHARチームは我が道を淡々と、そして真剣に歩んで行きました。

 

次なる飛躍のために、今は低くしゃがむ時期---そう心底理解すると、やるべきことが次々と見えてきます。KAKCHARチームは現在のサービス内容を見直し、もっとお客様のために提供できることはないか模索し始めます。

その時、大きなヒントとなったのが、お客様との対話です。 フル稼働していた時は、お客様からの注文をパーフェクトにこなすことに勢力を注いでいましたが、リーマンショックで仕事量が減ったことで、お客様も我々も、時間にゆとりが生まれました。

 

自ずと担当者様との会話にも幅ができ、今目の前の仕事の話だけでなく、今、何に困っているのか、どんなことが助けになるのか、今一番やって欲しいことは何かなど、将来を見据えた話もざっくばらんにできるようになっていったのです。

 

これは今後のKAKCHARにとって、大変参考になりました。リーマンショックの恩恵といっても過言ではないでしょう。リーマンショックも悪い面ばかりではない・・・KAKCHARチームはどこまでも前向きに、今の状況を受け止めていたのです。

 

クリアすべきは「ナット挿入問題」!

お客様の声を聞く中で、やはり問題になっていたのが、工数がかかる「ナット挿入作業」でした。

まずは図面を見ながら、材料を探します。続いて、取付け面、向きを確認した上で寸法を測り、フレームに罫書きを行います。

ここまですべて準備を整えた上で、実際にナットを挿入していくのです。

この工程の中で、少しでも入れ間違えや入れ漏れがあると、組み直しが発生したり、装置をきちんと組み立てることができなくなります。従って、この作業は高いスキルを持つ経験者にしか、任せることができないのです。

企業にとっても、熟練した技術者がこの作業をやること(結構時間がかかるのです)は、労力、コスト面ともに大きな負担になっていました。

 

この一連の作業にテコ入れしたのが、KAKCHARです。

 

KAKCHARはナット挿入図まで自動作成することが可能なので、KAKCHARを使えば、複雑なナット挿入作業用の「指示書」を簡単に作ることができるのです。

 

この指示書があれば、スキルや経験があまりない人でも、組み立て作業が可能になります。これは今までにない画期的なことなのです!

 

ナット挿入問題のその先へ・・・

ナット挿入図の登場だけでも驚くべきものでしたが、実は、この機能は「さらにその先」を見据えた構想でした。データ化された要素を「図面に出して、はい、おしまい」には、決してしたくなかったのです。

 

データがあるのだから、どんな形だってできるはずだ。

もっと便利に、もっと効率良く、お客様に提供することはできないか?

いっそのこと、図面がなくても組み立てられるようにはできないのか?・・・・

 

さらなる模索を続けた結果、開発チームは、新たな課題へ挑戦する決意を固めます。それは、「フレームに図面情報を直接印字する」ことでした。

 

アルミフレームに直接、ナット挿入位置や部材ナンバーなどを印字すれば、図面すら必要なくなる。そうすることで、さらに作業は簡単に、スピードアップも可能になる。開発チームはそう確信したのです。これも「ものづくり」のアンテナが何かをキャッチした結果なのでしょう。

 

しかし、現時点ではどのように印字すればいいのかすらわかりません。もちろん、アルミフレームに印字する専用の装置もありません。そこで、まずは印字できる方法から探すことになりました。

ハードルは高いほど燃えるのが、KAKCHARの開発チームです。

この難問をどうクリアしていくのか?

それは次回のお楽しみということで。

<つづく>

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