おーっ!とテック物語【第27話】ネーミング決定!「カクチャ」誕生の瞬間

公開日時:2017/07/25

前回までのお話


2008年1月に誕生した「新生AMS(Alfa Multiply System)」。産声を上げた時こそが本当の始まりであることを肝に銘じ、お客様の負担を可能な限り軽減できるよう工夫に工夫を重ねた開発チーム。努力の結果、お客様が抱えている「設計」「部材選定」の悩みを丸ごと解消する設計代行サービスがようやく完成しました。「すべてNICにお任せください!」この言葉を堂々と言える日が来たのです。

システムが完成したお次は、それを広く知らしめ、お客様に使っていただかなくてはなりません。早速、技術、企画、営業、受注、事務と異なる分野から先鋭らが集められ、「プロジェクトチーム」が結成されました。チームに与えられた最初のミッションは新生AMSのサービスを広めること。そのためにまず取り組んだのは、パンフレットの作成でした。ところが・・・

 

カタチのない「サービス」をを伝えることの難しさ


 

早速パンフレット作りに取り組んだ プロジェクトチームのメンバー。技術、企画、営業経験者が中心となって、会議を重ねていきます。どうすれば新生AMSの優れた機能を理解してもらえるか? どのように表現すれば、その効果を「見える化」できるか? 検討を重ねていきますが、どうも今までと勝手が違うことに気がつきます。

そう、今回表現しなければならないのは「サービス」です。今までも新製品が出るたびに、自分たちで製品パンフレットを作ってきたので、それなりのノウハウは持っていたのですが、カタチのある“製品“と、カタチのない“サービス”を表現する難しさを、今回初めて知ることになったのです。

それは想像以上に難しい作業でしたが、それだけにやり甲斐もありました。

とにかくお客さまが“楽に”なるということを一目でご理解いただけるようにと、写真と表グラフなどビジュアル要素をふんだんに使ってアピールしていきたいと考えました。しかし、いまひとつピンとくるものが出て来ません。

 

「なんか、うちらしさが足りないんじゃないかな?」

 

そうポロっとこぼれ出たメンバーの言葉をきっかけに、大きなひらめきが訪れます。

そもそもNICは装置メーカーであり、アルファフレームの産みの親でもあります。装置の組み立てはお手の物。しかもプロの技術で素早く・正確に・美しく仕上げることには自信があります。この強みを今回の新生AMSのサービスに組み込むことができれば、今まで培った技術をお客様に提供できる絶好のチャンスにもなるのです。

ひらめきを実行に移すことこそ、ものづくりの一歩です。早速プロジェクトメンバーは新生AMSの機能に、NICが昔からやってきた技術サポート、つまり組立完成品の納入や、国内外での現地据付もサービスに組み込むことにしました。これで、アンケートで多かったアルミフレームの困りごと「設計」「部材選定」「組立」「現地据付」を一挙に解消! 正真正銘の「設計・組立サポートサービス」の誕生です!

 

KAKCHAR2009_A4二つ折A

KAKCHAR2009_A4二つ折B

 

製作品の相談・設計代行、部材の選択に部品リスト作成、ナット挿入指示書や分解組立図の作成、そして組立て、納品に至るまで、まさに0から100まで必要な工程ごとに寄り添える「設計・組立サポートサービス」を提供できるのは、日本、いや、世界でもNICだけ。まさにNICを丸ごと表すサービスとなったのです。

 

 

新生AMS+従来のNIC技術サポート=?


 

サービスの幅を広げたことで、間違いなくお客様に対する貢献度は高まります。しかし、「伝えるハードル」は逆に高くなってしまいました。提供できるサービスが増えると伝えたいことも多くなり、お客様に理解していただくには、それなりの時間が必要になります。とはいえ、お忙しいお客様の貴重な時間を、そうそう取っていただくわけにもいきません。

自らあげてしまった「伝えるためのハードル」をどう超えていくべきか?

プロジェクトチームが出した答えは、新たな「ネーミング」の作成でした。そして新たな名前は、パンフレット制作においても、必要不可欠なものだったのです。

 

その時点ではまだ、慣れ親しんだ「アルファフレームシステム専用の三次元設計システム「AMS(Alfa Multiply System)呼称:アムス」という名前で呼んでいましたが、これではなんのことかお客様には伝わりません。たとえわかったとしても単なる設計サポートだとイメージしてしまう恐れがあります。

また、「設計システム」という名前では、こんなにもたくさんの機能を持っていること、そしてNICの技術力を生かした組み立てまでのサポートが受けられることを伝えることはできません。

 

一度聞けば忘れない、それでいて興味を持ってもらえるような、パンチのある名前はないものか・・・。

 

パンフレットの中身は着々と出来上がっているのにも関わらず、名前だけが決められず、時間だけが過ぎていきました。

 

 

「カクチャ」命名の瞬間


 

ネーミング、名前、名前・・・

初めて遭遇する事態に、プロジェクトチームは戸惑います。しかし、まごまごしている時間はありません。躊躇すればそれだけ発表が遅れ、心血注いだシステムが日の出を見るのが遅くなるだけです。

何か良いアイデアは・・・と煮詰まっていく中、「その瞬間」は意外なところにやってきました。

度重なる会議の休憩中のことです。コーヒーを手に、

「なにかこう、一言でこのサービスの内容がわかるようなネーミングが欲しいですねよねぇ〜」

と、語りかけたメンバーの言葉を受けて、冗談半分にこんなフレーズが飛び出したのです。

 

「図面を書く」だから、「書くちゃ」は?」

「え?富山弁?(笑)」

 

富山弁は、色んな言葉のあとに「ちゃ」がつきます。

好きですは「好きやちゃ」、行きますは「行くちゃ」、そして書きますは「書くちゃ」。

 

笑いながらもだんだんと「それ、いいんじゃない?!」という気持ちが大きくなっていきます。

分かりやすいし、親しみやすいし、耳障りもいい。そして「何なの?」と興味を持ってもらえるインパクトもあります。

 

「いいね。それで行こう!」

 

名曲や名台詞というものは、ふとした瞬間に生まれるものだと聞いたことがありますが、あんなに悶々としていたのに、わずか数分のうちに決まってしまうとは・・・キツネに鼻をつままれたような気分でしたが、こうして新生AMSのトータルサポートサービスの名前は「カクチャ」に決定しました。

 

その後、パンフレットのロゴにも使えるようにと、見栄えの良い表記の仕方を何通りも試した結果、

KAK(書く)CHAR(英語で雑用という意味)とこじつけて

現在の「KAKCHAR(カクチャ)」に落ち着きました。

 

パンフレットも無事刷り上がり、3次元CADソフトによる設計・組立サポートサービス「KAKCHAR(カクチャ)」、

いよいよデビューです。

時は2008年6月。システム完成からわずか3カ月後のことでした。

 

カクチャパンフ

 

<つづく>

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