おーっ!とテック物語【第21回】保管棚までクリーンに クリーンストッカー登場

公開日時:2016/07/26

前回までのお話


飛躍する日本のエンターテイメント業界のパワーを受けて、NICのクリーンブース事業も順風が吹いてきました。液晶パネル製造用のグリーンブースの受注量が右肩上がりに増えて行き、2005年には爆発的ヒットを迎えます。

そのきっかけとなったのが、海外市場への対応でした。韓国では順調に業績を伸ばし、続いて台湾市場へとその翼を広げようとしたとき、思わぬ障壁に行く手を遮られてしまいます。

想像以上の大ピンチ! 一時は台湾への進出を諦めようかとの声も出ていたとき、ふとした「ひらめき」が舞い降り、ある人物とコンタクトをとってみたのです。それが功を奏し、トントン拍子に話が進み、台湾でのクリーンブースの製造環境が整って行きます。

それにともない営業マンの行動範囲も飛躍的に拡大し、パスポートが必須アイテムとなりました。時には営業先からそのまま台湾へ直行・・・なんてことも。

何もかもが初めてのことで、すべてが手探り状態ではありましたが、何か大きな力に突き動かされるように、突き進んでいきました。

 

パワフルに躍動する2006年


 

翌2006年。スピーディーかつエネルギッシュなパワーは、新しい年を迎えてもなお、日本国内はもちろん、世界各国を旋回していきます。

 

「脳トレ」「ハリーポッター」「ダヴィンチ・コード」など、次々とヒット作が生まれ、依然としてエンターテイメント業界は活気づいていきます。同時に、携帯電話の普及も拡大したのもこの頃です。時代の流れを受けて、携帯電話の番号ポータビリティ制度が開始されました。

 

また、2006年は、大きなスポーツの祭典が開催された年でもありました。当時の流行語にもなった「イナバウアー」の衝撃。荒川静香さんが見事に金メダル獲得した冬季オリンピックがイタリアのトリノで開催されたのが2月。そして、6月から7月にかけて、2006 FIFAワールドカップがドイツで開催されました。

 

この大きなうねりは、自動車業界にも波及していきました。

2005~06年は、環境保護に対する人々の意識も高くなり、「省エネ」「低燃費」「エコカー」といった新しいキーワードが誕生していきます。

 

そんな時代に後押しされ、NICの技術力は、自動車業界にも求められるようになっていきます。すでに当時から低燃費仕様車(ハイブリッドカー)に向けた開発が着々と進められており、「クリーンな設備」のニーズが、ますます高まっていったのです。

 

 

クリーンストッカー誕生


 

液晶パネルも自動車のエンジンも、精密機械であることには変りありません。非常にデリケートで、きわめて小さなホコリも許されない環境で製造されています。

クリーンブース事業が好調に伸びて行く中、ある企業からクリーンルーム内で使用する「クリーンストッカー」を作れないかという引き合いがありました。液晶パネルの製造ラインで、部品を保管・管理したいというのが、先方の要望です。

導入される工場は、まるで映画に出てくるような近未来型の無人工場です。高い天井、広いスペースを持つその工場はすべて自動制御され、動いているのはAGVと呼ばれる無人搬送車両だけ。そんな高度なクリーン環境で使用するストッカーですから、当然高い精度が要求されます。

しかし、要求が高いほど「燃える」タイプの技術者ぞろいのNICは、今まで培ってきたクリーンの技術と実績を総動員して、お客様のご要望に答えるべく動き出しました。

クリーンルーム内で使用するストッカーの素材は、アルミフレームが最適です。NICには長年の経験と実績により、クリーンルーム専用のアルファフレームを作り出していました。素材については楽々クリアです。

今回の一番の重要ポイントは、「安定した気流でクリーンレベルを維持すること」でした。

各棚の気流が安定するよう空気の流れを計算し、何度も気流解析と実験を繰り返し行い最適なものを作り上げていきました。

そして、2006年6月。「クリーンストッカー」が誕生。

努力の結果生まれたクリーンストッカーが、実際の現場で活躍することとなります。

 

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以後、次第に様々な業種・業界でも使われるようになり、クリーンブース事業の拡大に貢献する頼もしい一アイテムとして成長していくのです。

<つづく>

 

 

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