NICおーっ!とテック物語【第10話】 アルファクリーンブース(ACB)シリーズ誕生

公開日時:2014/09/18

前号までのお話


 

着々とクリーンルームのシェアを広めていった2000年頃、

「ITバブル」の追い風を浴び、ひときわ注目を浴びたのが

「ミニエンバイロメント」でした。

従来のクリーンルームと違い、必要な箇所だけクリーンな環境にできる新たな技術は、

幅広い分野からたくさんの引き合いが舞い込み、NIC全社フル稼働で対応にあたりました。

そして2001年、また新たな扉が開きます。

ニック・セイコー・マイスナー・ヴゥルスト株式会社は発展的解散となり、

クリーン事業はNICが受け継ぐこととなります。

今まで培って来たクリーンルームの技術と

「熱きものづくりの心」を持つNICの技術者たちは、

どんな化学反応を起こしていくでしょうか・・・?!

 

 

新体制となったクリーン事業の次なる課題


 

社内的な体制も整い、本格的にクリーンブースの製造・販売が、

2001年3月よりスタートしました。

 

依然として日本はITバブルのど真ん中。

 

こちらの販売製造の体制が変わったとはいえ、

お客様のニーズはさらに高まるばかり。

引き続き全社フル稼働で、対応にあたっていました。

 

しかし、忙しいときにこそ、次の展開を考えなくてはならない。

 

これは「ものづくり」を極めた技術者ならではの発想なのかもしれません。

 

新しいモノを生み出すには時間がかかる。

忙しさの波が引いてから、次の一手を考えたのでは遅すぎるのだーーーー

現状、メイン商品となっているミニエンバイロメント方式のクリーンブースは、

必要な場所を適切にクリーン化することが目的ですので、

1社1社フルオーダーに近いカタチでの提供です。

専門知識も必要ですし、新規提案から納入までに時間がかかっていました。

 

高品質のものを、もっと効率よく、お客様に提供できないものか?

 

これがNICの技術者たちに課せられた次なる課題でした。

 

技術の融合! クリーン×アルファフレーム=!?!


 

その頃、クリーンルームにはアルミフレームを用いることが最適だということがわかっていました。

 

軽くて扱いやすい上に丈夫で頑丈。

それ相応の重量にも耐えてくれる上に、発塵も少ない。

アルミフレームはまさに

クリーンな環境のために生まれて来たような材質です。

 

しかも、NICにはアルファフレームシステムという、

オリジナリティあふれるアルミフレームを、豊富なラインアップで展開しています。

 

これをクリーンルームに活かさない手はない!

それは、クリーンルームの技術とアルファフレームの融合が起こった瞬間でした。

この化学反応は、アルミのことを極めてきたからこそ、起こせたものでしょう。

 

ゴールが見えた瞬間から、急ピッチで開発が進められました。

新たに手がける製品は、「アルファクリーンブース」の頭文字をとって

ACBシリーズとして展開する方針が決まりました。

 

シリーズ完成に向け、剛性はそのままに、肉薄にして最軽量化を実現した

クリーンブース専用のアルミフレーム開発にも成功。

高品質な製品を短納期でご提供できる「組立式クリーンブース」の完成です!

 

そんな開発チームの努力の甲斐あって、

ACBシリーズは、16パターン

サイズで選べばなんと356通りの組み合わせが可能という、

柔軟なラインアップとなりました。

 

この「豊富な選択肢」を最初から用意していたのは、

お客様からのあらゆるご要望にいち早く応えるため!

そして、アルファフレームのデビュー時の手痛い経験が

染み付いていたからでしょうか。

同じ轍は踏まないのも、技術者としての信条なのです。

 

ミラクルなデビューを飾ったACBリシーズ


 

ACBシリーズは、2003年の完成後すぐに、

数々の展示会でお披露目となりました。

 

ACBシリーズは、NICにとっても久ぶりの自社開発の新製品です。

スタッフたちの士気はマックスに上がっていました。

 

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パネルの準備も万端!

 

しかし、チリやホコリは目に見えないもの。

いくら「クリーンな環境です」と

口で説明しても、説得力がありません。

 

そこで、

どうすればビジュアルに訴えられるのか?

どうすればインパクトある展示になるか?

 

チーム全体で知恵を出し合った結果、

ブース内にクリーンブースそものもを設置し

クリーンウエアを着たマネキンを置いたのです。

 

当時、様々な業界が「クリーン」に目を向けていたこともあり

展示会場に設置した目新しいクリーンブースの周りには

人垣ができるほど。

非常に多くの注目を浴び、引き合いも多数ありました。

 

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「もうちょっとこうした方が・・・」と、現場でも次々とアイデアを出し合います

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多くの注目を集めた防塵服姿のマネキン

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構造が分かるように特製の模型もお披露目

 

 

第1号の納品となったのは、東京の展示会会場でのこと。

 

ある電気機器メーカーの社長が自ら、私たちのブースに来られて

「これ、いいね!」

と、お褒めの言葉をくださいました。

 

このようなやりとりは展示会では日常茶飯事なのですが、

驚いたのは、次の瞬間です。

 

「詳しい話を聞きたいから、すぐに社に来て欲しい」

「いつ来られますか?」

と、いきなり具体的な展開に。

 

喜んでその場でアポをとり、後日伺ったのですが、

トントントンと話は進み、あれよあれよと言う間に、

3ブーズをお買い上げいただきました。

 

まさにミラクル!!

 

この衝撃的な出会いは、今も強烈に記憶に残っています。

そして社長の決断力には、今も頭が下る思いです。

 

 

時代のニーズを受けて、幸先の良いスタートを切ることができたACBシリーズ。

これから全国を行脚し、シェアを広めていくことになるのですが・・・

 

この続きはまた次回のお楽しみということで。 <つづく>

 

 

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